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【第809回】 遠隔会議の合間に院生の相談に乗るなど(2021年7月28日)
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- 昨日のニュース(リンク先は東京新聞記事)で首相が「重症化リスクを7割減らす新たな治療薬を政府で確保」と言っているのは,まず間違いなく先日特例承認された中外製薬の抗体医薬品ロナプリーブのこと。メカニズムからいってワクチンが有効な感染症ならば抗体医薬品が有効であろうことは当然考えられるわけだし,2020年2月の時点で上海では回復期患者から採血して抗体を含むと考えられる血漿を患者に輸液するという治療法が試みられていたし,米イーライリリー社が2020年11月に抗体医薬品として入院患者への投与をFDAから承認されることになるバリシチニブの治験を始めたのは2020年4月だったし,2020年6月のScienceに回復期患者の血液から4種類の中和抗体を精製したという論文が載っていたので,有効性については驚くことではない。ただ,ロナプリーブについての東洋経済の詳細記事によると,抗体医薬品は,生産量も限られ,適応も限られ,高価で,ロシュがやった第III相臨床試験REGN-COV 2067の結果では,入院または死亡のリスクが(プラセボ群の1/3以下になっているとはいえ)1%残っているので,決して,この薬ができたからすべて問題解決というわけにはいかない。なお,「入院または死亡のリスクを70%減らす」という中外製薬のプレスリリースは2021年4月2日に出ているのだけれども,数日前に触れた特例承認は世界初だったわけで,既に世界中で使われているワクチンと違って,広く使った場合にどうなるかはまだわからない。
- 今日は13:00以降オンライン会議が3件あり,合間に院生の相談に乗ることになっている。
- 秋卒業の修論/博論発表会,某国際共同研究の打ち合わせと済んでから院生の相談に答え(海外調査をしたくて大学院に来ている院生が多いので,1年半以上にわたって研究活動に大きな制約があって,先行きも不透明な状況が続くと,メンタルストレスが大きくて辛いのは良くわかるので,できる限りサポートはしたいが難しい),URAの業務に協力してから帰途に就いた。
- 今日も昨日以上に新規感染報告数が増え,最多を更新した。熱中症も増えてきているので,首都圏の医療体制は破綻寸前だ。
(list)
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