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【第813回】 8月になってしまった(2021年8月1日)
- 7:00起床。80.25 kg。この調子で体重減らしたい。97%,36.2℃。
- 食材が尽きかけているので,後でアグロガーデンに行かねば。
- 東京のRt推移について,若干Rコードをアップデートして再び走らせてみた。(1)第3波と第4波では緊急事態宣言で(感染から報告までのラグを考えるとそのやや前から)Rt低下,(2)第5波への緊急事態宣言は無効,(3)五輪開幕から(たぶんその少し前からの開放感と期待感とデルタ株で)Rt急上昇中,が見える。
- COVID-19とは関係なく,スポーツコンテンツとして,野球に関してはMLBやNPBのレギュラーシーズンの方がオリンピックより面白いと思うので,NHK-BSがMLB中継せずにオリンピックをやっているのは理解できないし,NPBもエキシビションマッチとかでお茶を濁さず,一軍の選手をオリンピックには出さず,MLBと同様にペナントレースが決まる重要な時期だからという理由でレギュラーシーズンを続ければ良かったのに。ぼくは大学ソフトボールをやっていたし,コーチもしたことがあるからソフトボールは大好きだが,日本にもアメリカにもプロリーグはないし,マイナースポーツには違いないから,ソフトボールがオリンピック種目になりたがったのはわかる。野球に関しては(こちらも草野球をすることはあるし,少年野球のコーチは数年間やっていたし,45年以上の筋金入りのドラゴンズファンだが),ペナントレースと違う時期にするのでMLB選手も参加するWorld Baseball Classic (WBC)という国対抗の真の世界一を決める大会があるし,オリンピックに拘るメリットはなさそうなのに,なんでWBSCを作ってオリンピック競技にすることを目指したのかわからない。そもそも,クラブチームのトップを決める大会が,サッカーならばFIFA Confederations CupとかFIFA Club Worldcupという形で世界大会になっているが(サッカーも国対抗の年齢制限無しの世界一決定戦もFIFA Worldcupとして確立しているので,オリンピック種目である意味はあまりないと思う),野球の場合はMLBの王者を決める大会がWorld Seriesと呼ばれるくらい,実力的にはMLBがトップであることはわかりきっていて(もちろん日本の野球の細かい連携プレーとかにもそれなりの見所はあるし面白いのだが),誰だってMLBのスター選手が出ていないオリンピックより,これまでのMLBの歴史を塗り替え続けている大谷選手のプレーの方を見たいのではないか。ソフトボール側だって,男子ソフトボールこそアマチュアしかないんだから(メチャクチャ迫力あるし超人的なプレーも多々見られるけれども)オリンピック競技に相応しいと思うし,女子ソフトボールと男子野球でオリンピックという邪道に陥ったのは間違いだったのではないか。そうなってしまったのも元を辿ればオリンピックの商業化が一因だよなあ。やはり一度IOCは解体した方が良い。
- Schuit E et al. "Diagnostic accuracy of rapid antigen tests in asymptomatic and presymptomatic close contacts of individuals with confirmed SARS-CoV-2 infection: cross sectional study"(BMJ,2021年7月27日)は,オランダで確定感染者と濃厚接触して5日目以降の無症状か発症前の状態の対象者4274人に対して,BDのVeritor(但しPlus Analyzerは使わず視覚的判定)またはロシュのBiosensorという抗原検査キットを使った迅速検査とRT-PCRによる検査を実施して,症状がない段階での抗原検査の感度を評価した研究。Veritorを使った2678人のうち,RT-PCRで陽性だった233人のうちVeritor陽性だったのは149人で,感度は63.9%(95%CI:57.4-70.1%),Biosensorを使った1596人のうち,RT-PCRで陽性だった132人のうちBiosensor陽性だったのは83人で,感度は62.9%(95%CI:54.0-71.1%)だったが,サンプリング期間を通じて無症状を維持した対象者に限ると,どちらのキットの感度も60%をやや下回った一方,サンプリング後に発症した人だけに限ると,Veritorの感度が84.2%,Biosensorの感度が73.3%となったと報告されている。特筆すべき点は,RT-PCRで検出されるウイルス量が1 mL当たりのSARS-CoV-2のE遺伝子コピー数の常用対数をとった値が5.2以上という,他人に感染させるレベルを検出することをアウトカムとした場合,Veritorの感度が90.1%,Biosensorの感度が86.8%となり,ずっと無症状の対象者に限っても,どちらのキットも85%以上の感度を示したという点であろう。特異度は常に99%を超えていたとも書かれているので,これらのキットを使って抗原検査をして陽性なら自己隔離すれば,1割は見逃すかもしれないが,他人に感染させる可能性がある状態で出歩くリスクがかなり下がる効果があるといえる。日本でよく使われている富士レビオのエスプラインで同じ性能が得られるかどうかはわからないが,この資料に出ている「陽性一致率」をみると,そこまで高くないかもしれない。Corman VM et al. "Comparison of seven commercial SARS-CoV-2 rapid point-of-care antigen tests: a single-centre laboratory evaluation study"(THE LANCET Microbe,2021年7月1日)を見ると,キット間の差はそれほど大きくないようだが,中には感度が低いキットもあることが示されているので,どのキットを使うのかは大事で,日本で市販されている抗原検査キットについてもこういう性能比較をした情報が示されるべきだろう。国立食品医薬品研究所は抗体検査キットについての一斉性能評価試験結果(担当部局は生物薬品部)を公開しているが,抗原検査キットについても同様の試験結果を提供して欲しいところ。
- Canas LS et al. "Early detection of COVID-19 in the UK using self-reported symptoms: a large-scale, prospective, epidemiological surveillance study"(THE LANCET Digital Health,2021年7月29日)はUKでCOVID-19 Symptom Studyというスマホアプリを使って,2020年4月29日から2020年10月15日までの間に19種類の症状についての発症後連続3日間の報告とRT-PCR検査結果により感染の有無がわかっている182991人のトレーニングデータから,3種類の方法(NHSのアルゴリズム,ロジスティック回帰,階層的ガウス過程モデル)で,2020年10月16日から2020年11月30日までに症状報告があった15049人について,症状から感染の早期検出ができるかを調べたという論文。階層的ガウス過程モデルの性能が良く,ROCのAUCが0.8だったのに対して,ロジスティック回帰が0.74,NHSのアルゴリズムでは0.67だったという結果。
- Blakely T et al. "Association of Simulated COVID-19 Policy Responses for Social Restrictions and Lockdowns With Health-Adjusted Life-Years and Costs in Victoria, Australia"(JAMA Health Forum,2021年7月30日)は,オーストラリア・ビクトリア州のデータを使って,5段階の社会的行動制限と,4種類の政策応答と,確率比例多状態生命表(Proportional Multistate Life Table)を使って,個人ベースモデルでシミュレーションした,COVID-19に関連した健康余命(HALYs)とコスト(保健医療システム単独とそれにGDP変化を加えたものについて)を比較し,健康余命を1年延ばす価値を仮想評価法の支払い意思額(WTP)として値段に換算し,NMB(純経済利益)をNMB = HALYs x WTP - costとして計算したという研究で,排除戦略が健康損失もGDP損失も最小で済むという結果を示している。まだざっとしか見ていないが面白そうなので,後でちゃんと読もう。
- TOKYOMERというドラマ,最後の方で賀来賢人扮するスーパー医系技官(たぶんあんなに臨床技術が高い医系技官は珍しいと思う)が経済的支援制度を利用することの重要性を強調し,医療保障の充実のために医系技官になったと語るところ,とても良かった。公衆衛生政策には経済的側面も含まれるのだという当然の事実が強調されていた。
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