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【第816回】 家からPlanetary Healthラウンドテーブルに参加してから出勤(2021年8月4日)
- 5:45起床。81.10 kg,97%,36.0℃。
- 高尾牧場の神戸ポークとピーマンとナスとゴーヤを太白ごま油で炒め,適当に味付けして朝食を済ませてから,7:30からのPlanetary Healthのラウンドテーブルに参加中。
- 最初のスピーカーは,ロックフェラー財団がLancetと協力してキャンペーンを展開したときにも活躍したらしいDr. Tony CaponによるPlanetary Health提唱に至る経緯から。Hippocratesの空気と水と場所から始まって,Boyden's Biosensitivity Triangle(Dr. Caponも著者に入っているリンク先の論文に説明がある)とか。
- 次のスピーカーは"Understanding Human Ecology"の著者であるANUのDr. Robert Dyball。肥満と栄養素欠乏の両方が存在している現代社会を例に,Biosensitivity Triangleに触れつつFeedback Guided Analysisという展開。
- 次のスピーカーは動画再生で,バングラデシュ自由大学の気候変動の専門家。
- 次はUCRのDr. Hopkinsで,気候変動と農業の話。とくに牧畜から生じる温室効果ガスであるメタンとN2O (Nitrous Oxide)の増加について。このインフォグラフィックとか。N2Oの75%は農業における土壌処理から発生しているとのこと。炭素循環と窒素循環をちゃんと回して土に戻すべきと言いたい?
- 最後が知保さん。長崎大が全力でPlanetary Healthに取り組み始めたという宣伝から。平和教育もPlanetary Healthの一部として新入生全員にしている。我々は有限の世界に住んでいるという事実がすべての根底にある。生物と環境は相互作用しているという事実の重要性。日本の里山と八百万の神と俳句(季語を含む),風鈴,借景,「モッタイナイ」の紹介。自然へのbiosensitivity(cognitive transition to planetary healthと言っていたが)のヒントとしてという話だな。
- 続いて,植生の研究からHuman EcologyやPlanetary Healthに行き着いたという司会のLin Mengからのコメント,チャットで入っていた質問(個人の自由を基本にしている社会にどうやってplanetary healthへの集合的関心を向けさせるか? COVIDワクチンへの誤情報と嫌気を見るにつけ)へのDr. Caponの返事,Dr. Hopkinsからgenderについてコメント,Dr. Caponからフリーテキストの紹介,共感の重要性についての質問に続いて,Planetary HealthとOne Healthはどう違う? という質問があり,Dr. Caponからコンセプト成立の起源の違いについて説明(普通の話だったが)と,知保さんからEcohealthも関連語として加えたいという話。
- 最後に農業からのCO2以外の温室効果ガスの重要性について,途上国ではどうかという質問があったが,Dr. Hopkinsは途上国については詳しくないとのご返事。参加者からフィリピンの事例紹介があって,時間を10分超過したし,ということで終了。
- 全地球上からの参加者が30人ほどだったが,面白いセッションだった。まあそんなに新しく知ったことはなかったが。このテーマを1時間でやるのは若干無理があったかも。まあIntroduction的な位置づけなら良いのか。
- 8月2日の首相コメントが何より酷いのは,病床の空きを作るための施策であって感染拡大防止の施策になっていないところだ。家庭内感染が(経路が判明した)新規感染者の半分以上を占めている現在,自宅療養なんか増やしたら感染拡大はさらに加速こそすれ,抑制できないだろう。首相は(おそらく無自覚に)医療崩壊を宣言してしまったのだから,この際,(1)医療崩壊したので,オリパラは即時中断し,残っている競技については状況が落ち着くまで,たぶん晩秋かそれ以降まで延期します,(2)満額の補償をするので,エッセンシャルワーカーを除き全業種,2週間で良いので休業(時短ではなく)または必要経費は出すのでリモートワークにしてください,(3)対人接触は必要最低限にしてください,と宣言すべきだと思う。これができれば遅くとも10日後から新規感染報告数は減り始めると思う。
- Windows Updateが再び掛かった。Classic Shellというフリーソフト(現在の最新版は2018年に出た4.3.1)のClassic Start Menuが正常動作しなくなったのは,何かのAPIが変わったのだろう。仕方ないので設定でWindowsスタートメニューにした。
- Dr. Eric Topolがtweetで触れている,Molteni E et al. "Illness duration and symptom profile in symptomatic UK school-aged children tested for SARS-CoV-2"(THE LANCET Child & Adolescent Health,2021年8月3日)はUKのSARS-CoV-2の検査を受けた有症状の学童25万人以上について,症状ごとに持続期間をまとめた論文で,Dr. Topolのtweetには,4週間を超えて症状が残る学童は4.4%と低かった,とあった。
- Dr. KucharskiのグループのDr. Akira Endoがtweetしている,デルタ株の二次感染者数分布は,ワクチン接種済みの人については(20人以上に感染させたケースの山を除けば)従来株と同じような過分散だが,未接種の人については従来株よりずっと裾が長いという報告は興味深い。引用を辿っていくと英語でないtweetになってしまって論文に辿り着けなかったので,ちゃんとpublishされるのを待ちたいが。
- 明日からの統計集中講義のため,講義サポートページを更新した。テキスト中,ソフトウェアのバージョンやリンクURLを現状にアップデートしただけだが。
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