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【第836回】 査読仕事とレポート採点とICHS Summer Schoolとミーティング(2021年9月2日)
- 6:00起床。81.00 kg,97%,36.3℃。
- 今日から3日間は,ICHSの夏季集中講義ということでオンライン講義で,グローバル教育委員なので一部講師紹介など担当するが,同時並行して全学の情報セキュリティ委員会とか国際連携本部会議とかにも参加しなくてはいけないし,院生相談も入っていたり,夜には定例ミーティングもあったりするので忙しい。査読仕事とレポート採点は進まなそう。
- 1限のNegiさんは,COVID-19パンデミック下の在日ネパール人移住者のメンタルヘルスが講義テーマ。2020年に1.77億人の国際移住者の63%は中所得国から。教育は受けたのに仕事がない人が,高所得国での職を求めて国際移住しがち。受け入れ国として2000年にはトップ10になかったのに2020年に入ったのはスペインとUAE。仕事を求める他には,紛争,貧困,教育を求めて,等。COVID-19は移住者に様々な影響を与えてきた。帰国できないとか,失職とか。USAのブラジル人コミュニティの例(Rocha 2021)など。メンタルヘルスの問題も大きい。孤立や不安など,レジリエンスが重要。不法滞在者は,より大きな問題にさらされている。日本の移住者は前年より46021(1.6%)減ったが,2020年末で289万人近い。出身国別だと,中国,ベトナム,韓国,フィリピン,ブラジルに次いでネパールが多い。95982人。うち留学生が23132人。飲食業従事者が約12000人。彼らはブローカーに20万円から150万円払ってビザを得る人が多い。借金のため土地を抵当に入れる人も。長時間労働,健康情報へのアクセスの少なさ,不健康な生活状態から,身体的健康や精神的健康を壊しやすい。ネパール人については,失業,経済的困難,仕事の不安定性がストレスなどに影響(Bhandari et al., 2021)。来たばかりのネパール人は言葉の問題からよりストレスが大きい。COVID-19の症状があっても検査なしにストレスだろうと決めつけられるケースも報告されている。最近8ヶ月に在日ネパール人が17人死亡。うち6人は自殺。COVID-19感染による死亡が4人。日本でヘルスサービスにアクセスする上での問題は,言語,経済的問題,(不法滞在の場合)健康保険がない問題,雇用者からのサポートがない,情報やサービスを得るのにどこにコンタクトしたら良いかわからないこと。飲食業従事者は月収5-15万円程度。10:00-23:00勤務(2-3時間の休憩込み)で週6日勤務,超勤手当無し。多くは無保険。国保の保険料が払えない。移住者に対する包括的な社会保障システムを作るべき時。確かに。
- 2限の時間帯は情報セキュリティ委員会に参加しなくてはいけないので,ICHSは繋いでおくけれども聴けない。Alimさんがインドネシアから講義してくださり,セキュリティ委員会に出席しながら横目でスライドを見ていたら,後半はCOVID-19による保健医療従事者への影響の話をしていたようだが,詳細が聴けなくて残念だった。
- 3限はこれまでも何度もご講義いただいてきた姫路日赤の髙原先生による,日赤の災害救援活動の紹介。主にハイチでのコレラ対策の話で,infodemicが大きな障碍だったことが語られた。質疑でコミュニティエンパワメントに関連して健康教育を進めるにはという話で出てきたCBHFAは赤十字が力を入れている活動とのこと。
- 4限はチェンマイ大学看護学部のPhanida Juntasopeepun先生。量的研究における倫理的配慮というテーマ。ナチスやタスキギー梅毒人体実験のような非人道的な人体実験を反省して,という発端の話から,ニュルンベルク綱領,ヘルシンキ宣言,ベルモント報告など(概ねここからリンクされている)の医学研究倫理指針の話。インフォームドコンセントの重要性など,わりと基本的な話だが,スライドが見やすく説明もクリアなので,院生には良い講義と思う。最後は研究不正の話。これは一応,全院生受講必須のeAPRINでも扱われているし,保健学研究共通特講のどれかで扱われているから,院生にも基礎知識はあるはず。
- Tweetだけして,ここには拾っていなかった件。モデルナワクチン、異物は金属か 製造過程で混入の見方:朝日新聞デジタルを見て,厚労省の報告は新聞記事より情報量が少なく情報公開不足。金属アレルギーが起こっていたら予防接種健康被害救済制度を適用すべきだろう,と8月29日にtweetしたが,今日見たら厚労省ページに情報が追加されていて,モデルナ社と武田薬品の共同ステートメントがpdfとして掲載されていたが,金属部品の設置不具合による摩擦でSUS316の破片が混入したという説明。物質がわかったので,副反応が出たと報告している人がSUS316でパッチテストをして陽性なら,因果関係が証明できそう(目視で弾いたサイズの破片が混入していたということは,同じ摩耗で目視できないようなサイズの微片や微粉が入っていて注射されてしまった可能性は否定できないので,回収は当然として,被害を訴えた人にパッチテストの機会を提供するのは製造物責任と思う)。もっとも,これはRovi社の製造ラインにおける事故なので,この事例をもってモデルナのmRNAワクチン全般を疑う必要は無いと思うが。
- 保健学研究員からのオンライン相談に答えてから帰途に就き,LIFEで食材を買って帰宅して晩飯を食べてからミーティング。
- その後も何件かの個別相談に答えて長い一日が終わった。
- 今日の甲子園のドラゴンズとタイガースの試合は雨天中止だったようだ。
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