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鐵人三國誌・アーカイヴ

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目次

【第932回】 今日も出勤してオンライン会議とか。ミーティングは帰宅後にしよう(2022年1月6日)

日常

7:40起床。83.05 kg。予想通りだがまずい。97%,36.4℃。

metaパッケージ

1月2日に触れたmetaパッケージの使い方をメモしておく。Rを起動して,まず,以下を打ってメタアナリシスのサンプルデータTenStudiesとElevenStudies(内容は疫学講義第10回のスライド9を参照)をロードする。

library(meta)
library(fmsb)
example(pvpORMH)

Rothman KJ et al. Lancet 1999. https://doi.org/10.1016/S0140-6736(05)74403-2

Rothman KJ et al. (1999) Lancetに載っているのと同じ,上のグラフが描かれる。ここで10個の研究についてのメタアナリシスとして,マンテル=ヘンツェルの要約オッズ比を計算するには,fmsbでは,ORMH(TenStudies)で良い。出力もシンプルで,

$estimate
[1] 0.8781804

$conf.int
[1] 0.756586 1.019317

$conf.level
[1] 0.95

となる。metaでは,

res <- metabin(TenStudies[,1],TenStudies[,1]+TenStudies[,3],TenStudies[,2],TenStudies[,2]+TenStudies[,4], sm="OR")
res

とする。fmsbパッケージのORMH()は要約統計量としてオッズ比しか計算できないが,metaパッケージのmetabin()は,sm="RR"と指定すればリスク比を,sm="RD"とすればリスク差を計算できる(もちろん元データがコホート研究かRCTでなくては無意味だが)。

プール化の方法も,ORMH()はマンテル=ヘンツェルの方法だけだが,metabin()ではmethod="Inverse"オプションにより逆分散重み付け法(Fleiss, 1993),method="Peto"でPetoの方法(Yussuf et al., 1985),method="SSW"でサンプルサイズ法(Bakbergenuly et al., 2020)が適用される。たぶん本来はmatrix()ではなく,data.frame()に対して使うように作られていて,data=オプションでデータフレーム名を指定すれば,引数としては,曝露群イベント発生数,曝露群サンプルサイズ,非曝露群イベント発生数,非曝露群サンプルサイズの順番に変数名を書けば良い。studlab=オプションで研究名のラベルを示す変数名を与えることもできる。結果は以下のように得られる。Huedo-Medina T et al. (2006)によると,コクランのQ統計量を使ったQ検定でもI2指標を使っても研究数が少ない場合の欠点である異質性の検出力の小ささは解決できないとのことだが,この程度の数値ならば,有意な異質性はなく,マンテル=ヘンツェルの方法で固定効果モデルでプール化した統計量としての要約オッズ比を出しても良いと考えられる。

Number of studies combined: k = 10
Number of observations: o = 3088
Number of events: e = 1771


OR95%-CIzp-value
Common effect model0.8782[0.7566; 1.0193]-1.710.0876
Random effects model0.8782[0.7563; 1.0198]-1.700.0885

Quantifying heterogeneity:
tau^2 = 0 [0.0000; 0.0948]; tau = 0 [0.0000; 0.3078]
I^2 = 0.0% [0.0%; 62.4%]; H = 1.00 [1.00; 1.63]

Test of heterogeneity:
Q d.f. p-value
6.95 9 0.6422

Details on meta-analytical method:
- Mantel-Haenszel method
- Restricted maximum-likelihood estimator for tau^2
- Q-profile method for confidence interval of tau^2 and tau

ORMH()の結果とCommon effect modelの結果が一致していることがわかる(マンテル=ヘンツェルの方法とPetoの方法は固定効果モデルを前提としているが,変量効果モデルでの計算結果も出力される)。

metaパッケージが偉いのはここからで,forest(res)とすると以下のForest Plotが描かれる。

Forest Plot for ten studies pooled

さらに,drapery(res, type="pval")とすると,10個の研究それぞれについてのp値関数がグレーで,要約オッズ比についてのp値関数が青(固定効果モデル)と赤(変量効果モデル)の実線で描かれる(下図)。これは便利だな。

Drapery Plot for ten studies pooled

以上の情報は,PRISMAガイドラインについての記述と合わせて,保健学研究共通特講IV/VIIIのテキストに追加しよう……というわけで,新年の会の後にやってしまった。

この3日間の増加

Rの作図コードをまた走らせてみた。昨日まで3日間の増加(傾きの急さ)はこれまで無かったレベル。正月休みのための検査や報告の遅れを考慮しても,やはりオミクロン株の影響と思われる。

日本全体といくつかの都道府県のCOVID-19新規感染確定報告数の推移(2022年1月5日まで)
たむらまろのアカペラ

金子みすゞ 「星とたんぽぽ」(歌:たむらまろ)|イラストバージョン(YouTubeより)は,大変素晴らしいアカペラ。癒やされる。元sinfoniaのももんぬさんが姉妹で協力して作ったオリジナル曲(「これから本格的に作曲して作品をあげていく」のは嬉しい)だという「Moon」(リンク先には「初めてのオリジナル」とあるが,作詞作曲という意味では,sinfoniaの「届け」も,ももんぬさんのオリジナルと言える)も素晴らしい。音はDTMっぽいが才能あるよなあ。

オミクロン株の起源

Gigazineの学術記事はちゃんとソースがリンクされているのが良い。「新型コロナのオミクロン株はマウスで変異して人に感染したのが起源だと判明」(見出しの「判明」は言い過ぎだと思うが)もそうで,Wei C et al. (2021) "Evidence for a mouse origin of the SARS-CoV-2 Omicron variant" Journal of Genetics and Genomics, doi:10.1016/j.jgg.2021.12.003(2021年12月24日掲載)がリンクされていた。たしかに,齧歯類の体内で変異して人に戻ってきたのなら,変異部位の多さにも納得がいく。

日常その2

学長が百年記念館で新年の挨拶をする様子がYouTubeで限定配信されるのを聞いた午前中に続き,14:30から保健学研究科新年の会がZoomで行われた。Zoomだから何か双方向でやるのかとも思ったが,学長挨拶同様,研究科長の挨拶を聞いただけであった。それにしても国立大学への予算関連の話は暗澹たる気分になるばかりだ。

年末に短くできずに編集委員に下駄を預けようとした某原稿について返事があった。趣意書を見て自分でやってくれということで,まあ言われてみればそうするしかないのだろうが辛い。

事務書類提出とかCOI書類を印刷してサインしてスキャンして送信とかいったことをしていたら17:30になったので帰途に就いた。18:00からレトルトご飯と松前漬けと大根サラダとトマトで晩飯にした。これからオンラインでミーティング。

ミーティングが終わった後も個別相談に応じていたら21:30になってしまった。

Mery-3.3.4

昨日3.3.3ベータをインストールしたばかりだったが,3.3.4ベータが出たのでインストールし直した。

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