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【第1344回】 PHEIC終了宣言:緊急事態対応から長期的管理への移行と臨時暫定ガイドライン(2023年5月6日)
- 6:00起床。83.15 kg。
- 今朝からテレビニュースが、Statement on the fifteenth meeting of the International Health Regulations (2005) Emergency Committee regarding the coronavirus disease (COVID-19) pandemicで持ちきりだ。これは、IHR2005に基づく緊急事態委員会の15回会合のレポートで(2020年1月23日の第1回会合ではPHIECの宣言に至らず、2020年1月30日の第2回会合でPHIECが宣言されてから、3年以上PHEICが続いてきたわけだが)、専門委員からの3つの現状認識報告(死亡の減少傾向、入院とICU治療の減少、罹患やワクチン接種による集団免疫レベルの高さ)を受けて、テドロス・アダノム事務総長がそれに同調し、COVID-19は既に確立して進行中の健康問題であって、もはやPHEICの構成要件を満たさないと決定し、ウイルス進化の潜在的可能性に起因する不確実性はあるが、緊急事態対応から長期的管理に移行する時期だとして、臨時ガイドラインを遵守することをWHO加盟各国に求めた、と書かれている。去年の春以前から欧米や日本では常在化していたので、長期的管理をすべきフェーズに入ったというのは、別に新しい話ではないが、IHR2005の下ではWHOの宣言には大きな意味がある。臨時ガイドラインの要点も15回会合報告に含まれていて、カッコ内に引用する英文をざっくり訳すと以下の通り。
- パニックと無視の悪循環を避けるために、加盟各国の対処能力向上を維持し、将来起こりうるイベントに対して準備せよ。(Sustain the national capacity gains and prepare for future events to avoid the occurrence of a cycle of panic and neglect)
- COVID-19のワクチン接種を、生涯の定期ワクチン接種計画に統合せよ。(Integrate COVID-19 vaccination into life course vaccination programmes)
- さまざまな呼吸器系感染症病原体サーベイランスデータ情報源からの情報を一緒にまとめて、包括的な状況認識ができるようにせよ。(Bring together information from diverse respiratory pathogen surveillance data sources to allow for a comprehensive situational awareness)
- 各国の規制枠組みのなかで認可された医療的対処手段を準備し、その長期的な利用可能性と供給を確保せよ。(Prepare for medical countermeasures to be authorized within national regulatory frameworks to ensure long-term availability and supply)
- 強力で回復力が高く包含的なリスコミとコミュニティ関与(RCCE)とインフォデミック管理計画を達成するためにコミュニティ及びそのリーダーとともに活動し続けよ。(Continue to work with communities and their leaders to achieve strong, resilient, and inclusive risk communications and community engagement (RCCE) and infodemic management programmes)
- リスク評価に基づいて、COVID-19の海外旅行関連の健康手段規制を解除し続け、海外旅行の前提条件としてCOVID-19のワクチン接種証明を要求しないようにし続けよ。(Continue to lift COVID-19 international travel related health measures, based on risk assessments, and to not require any proof of vaccination against COVID-19 as a prerequisite for international travel)
- 伝播を減らし適用可能対象が広いワクチン改良研究、免疫不全集団におけるSARS-CoV-2の全体像、罹患率、COVID-19パンデミック後の条件下での影響、ウイルス進化を理解するための研究、COVID-19関連の統合ケア経路を開発するための研究への支援を継続せよ。(Continue to support research to improve vaccines that reduce transmission and have broad applicability; to understand the full spectrum, incidence and impact of post COVID-19 condition and the evolution of SARS-COV-2 in immunocompromised populations; and to develop relevant integrated care pathways)
- PHEICが解除されると、各国政府の対応当局とWHOの毎日の連絡体制は解除されるので、世界の感染者数と死者数が公開されているサイトの更新も毎日ではなくなりそうだが、各国で、あるいは世界インフルエンザ対策計画チームやRSVのチームが進めてきた呼吸器感染症サーベイランスなどと統合することによってCOVID-19も含めた呼吸器系感染症全体の動向をカバーしていこう、というのが3番目の項目の主旨だと思われる。理屈は通っているが、各国でのサーベイランスシステムに統合されるよりも抜け落ちる国が多いことがほぼ確実な状況では画餅に過ぎないように思う。
- この件について、NHKニュースは、3つの現状認識報告に基づいて、会見でテドロス事務局長は「緊急対応の状態からほかの感染症とあわせて管理する段階に移行する時期が来た」と述べて、新型コロナが存在することを前提にした対応を進めるよう、各国に求めました。一方で「ウイルスは命を奪い続け、変異も続けている。宣言の終了をもって各国は国民に、新型コロナは心配ないというメッセージを送ってはいけない」とも述べ、今後も警戒を続けるよう、各国に呼びかけました。と概ね正しい報道をしているが、臨時ガイドラインの中身までは紹介していないようだ。
- 今日のドラゴンズは0-1で負けていたところから1-1に追いつき、8回裏に高松選手の好走塁と福永選手の粘り強いバッティングで1点勝ち越して、9回表はライデル・マルティネス投手が完璧に抑えて2-1で勝ち。どらほー。
- リトグリの大阪フェスティバルホール公演に行ってきた。3階席だったが、素晴らしいライブパフォーマンスだった。遠いので表情とかはまったくわからないのだが、RRRについては3階席から定点で美しい動きを見ることができてむしろ良かったかも。コロナ以前に3階席の1列目と2列目は着席指定だったよなあと思い出し、1列目の方が座っていてくれたら良いなあと思っていたら、運良く自分の目の前の何人かの方は座ったままだったので、2列目の自分も座ったまま楽しむことができた(以前から、総立ちも楽しいのだが、後ろの人の邪魔にならないかが気になって仕方がないので。座ったままでも乗れるし)。圧倒的多幸感に包まれながら帰宅。移動中は雨が止んでいたが、帰宅後すぐに物凄い大雨になった。ついてるかも。
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