【第1521回】 冷凍チャーハンは王道が良いのか（2024年1月6日）

• 6:25起床。布団に入ったままテレビ体操を始め、途中で布団を抜け出した。
• 冷凍しておいた玄米ご飯を電子レンジで温め、豚肉切り落としとカット野菜をごま油で炒めたおかずと合わせて朝食。
• 時々目にする、ひたすら試してランキングというテレビ番組コーナーで、今日は冷凍チャーハンランキングだったが、調理の簡便さも指標に入れて欲しかったところ（どう調理したのかは説明されなかったと思うが、電子レンジ加熱だろうか）。1位は前回の冷凍チャーハンランキングと同じく、ニチレイ「本格炒め炒飯」だった。1/2袋(225g)の調理で、電子レンジ600Wだと3分50秒、フライパン中火で3-4分とのことなので、研究室買い置きでもいけるな。ちなみに価格コムの食べ比べでも1位だったし、22年連続売上1位とのことだから、ド定番といえよう。コスパを無視して複数の中華のプロが味と香りだけで選んだらこれが絶品というのも知りたいところだが。
• 現在の北陸の状況だったら、山本太郎のような、これまでも被災現場での支援活動経験を重ねてきて現地のNPOとも既にコネクションがある例外（というか他にはそういう人は知らないが）を除けば、政治家が行っても邪魔になるだけだろうから、当面視察を自粛するという6党首合意は正しいと思う。当該地域内部では対処や復興ができないというのが災害(disaster)の定義だから、外部からの支援は当然必要だが、中央政府の役割としては現場で支援のプロが動きやすい条件を整えることが第一であろう。
• イチケイのカラス映画版が地上波テレビで放映されていた。物語の核心をなす事件として、工場排水からのPFASが土壌汚染を起こして井戸水を汚染し、子供に健康被害が出たのではないか、という訴訟が扱われている。PFASが飲料水や人体を汚染しているというデータは多々あるが、ではどれくらい健康被害が出ているのかというと、まだ明確ではないように思う。しかしそろそろメタアナリシスが出ているのではないかと思って検索してみたら（自分でメタアナリシスをすることも考えたが、その前に検索してみたのだ）、既に何本も出ていた。○✕とは統計的に有意な関連が見られなかった、という報告もいくつもあったが、統計的に有意な関連が示されたものをいくつか拾っておく。Li L et al. "Association between exposure to per- and perfluoroalkyl substances (PFAS) and reproductive hormones in human: A systematic review and meta-analysis" Environ Res, 2024 Jan 15:241:117553.は、PFAS曝露レベルが女性のエストラジオールレベルと正の、男性のテストステロンレベルと負の相関関係にあり、この関係性は大人より子供で強かったという報告。Costello E et al. "Exposure to per- and Polyfluoroalkyl Substances and Markers of Liver Injury: A Systematic Review and Meta-Analysis" Environ Health Perspect, 2022 Apr; 130(4): 46001は、PFOA曝露がALT、AST、γGTPという肝障害マーカー上昇と関連していたこと、ALTはPFOSやPFNAとも関連があったことを示している。Seyyedsalehi MS, Boffetta P "Per- and Poly-fluoroalkyl Substances (PFAS) Exposure and Risk of Kidney, Liver, and Testicular Cancers: A Systematic Review and Meta-Analysis" Med Lav, 2023 Oct 24; 114(5): e2023040はPFAS曝露と腎臓がんリスクとの正の相関を報告している。Wang W et al. "The effects of perfluoroalkyl and polyfluoroalkyl substances on female fertility: A systematic review and meta-analysis" Environ Res, 2023 Jan 1; 216(Pt 3): 114718は、PFOAが女性の受胎確率と負の関連、不妊と正の関連を示し、PFOSが受胎確率と負の関連を示したと報告している。Pan K et al. "The relationship between perfluoroalkyl substances and hypertension: A systematic review and meta-analysis" Environ Res, 2023 Sep 1: 232: 116362は、PFNA、PFOA、PFOS、PFHxSは高血圧と正の関連があったが、他の型のPFASは有意な関連がなかったことと、性別に分析すると、PFNA、PFOA、PFOSは男性でのみ高血圧と正の関連があったことを報告している。イチケイのカラスでは、健康被害そのものよりも、（ネタバレになってしまうのでここに明記はしないが）水俣病以来続いている根深い問題に重点がおかれていたので、よく考えられた脚本だと思った。つまりは、道徳次元2の集団が迷い込むコンコルドの過ちの話でもあった。
• 勁草書房のこのポストで、ポカとポカポカが気になったので少し調べてみたら、江副水城さんの説によると、ポカの語源は甭干で、囲碁や将棋で要らない失敗をしたという意味で使われていたのが一般に失敗の意味で使われるようになったとのこと。一方、ぽかぽかの方は、明治大学の小野正弘教授によると、盛んに行われる様子のオノマトペから転じて温まる様子にも使われるようになったそうだ。なかなか面白い。
• PFASのメモで思い出したが、次回のEnvironmental HealthはWater and Healthではないか。ということで、講義スライドを更新してアップロードした。京大の原田浩二准教授が20年前からPFASによる環境汚染調査を進めてこられたことは有名だが、同じ京大でも欧米の主流である全面禁止ではなく、SDA理論で示されている性質をよく理解してうまく使おうというグループもあるのだなあ。

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