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【第1902回】 採点の続きのため名谷へ出勤(2025年8月9-11日)
- 土曜日だが、昨日書いた通り採点が終わっていないので、名谷へ出勤。今日こそは採点を終わらせたい。
- 出勤途中、名谷駅のさぼてんという店で弁当を買った。今日は午後に盆踊りなどのイベントが予定されているようで、20:00頃まで名谷駅近辺は混みそう。
- 長崎平和祈念式典の中継を聞いているが、長崎市長の平和宣言の内容で地球市民(いわば、道徳次元4と同義だと思う)に触れていたことと朗読力の高さは流石だった。広島に続き、石破首相が、これまで何代かの首相に比べて遥かにマトモであることがわかった(「核兵器なき世界」と2回も言ってくれた)。中満さんによる国連事務総長挨拶の代読でも核廃絶の必要性に触れられていたが、代読だけではなく、中満さん自身の言葉も聞いてみたくなった。「平和への誓い」は、広島では子ども代表によるが、長崎では被爆者代表による。未来と過去への視線が両方あることは意味があると思うけれども、あと20年続けられるかは難しいと思う。あとは、小学生による「クスノキ」(福山雅治による、被爆クスノキの視点から書かれた曲)合唱も良かったが、純真女子高校の生徒による「千羽鶴」は、合唱としてのパフォーマンスの出来がどうでも良くなるくらいの名曲だと思う。ただ、去年もこれをリトグリの歌唱で聴いてみたいと書いたが、それは今年も思った。
- “辞め参”「目が覚めた」の語り口に思う 安倍政権とコロナ禍が生んだ参政党の危うさ 北原みのり(AERAの記事)は正鵠を射ていると思う。「政治やマスコミは信じられない……と右往左往し自ら情報を求めにいこうとする人たちの焦燥感」を解決するためには、情報検索の原則を小中学校でちゃんと教えて、それができる公共インフラ(であるからには、無料で手軽に誰でもアクセスできるものでなければならない)を提供する必要がある。国際情報検索という講義で、情報検索の留意点を初回に説明しているが、本来小中学校で誰もが学んでおくべきことと思う。
- ちなみに、2025年2月に総務省が良い啓発教材を出しているので、小中学校でも教育しやすいと思う。もう一歩検索テクニックにも踏み込んで欲しい気もするが。
- 大分トリニータとカターレ富山の試合でリトグリがスペシャルライブをするのに合わせて提供されるメンバーカラーのドリンク6種類のうち、4つは普通だが、miyouのブルーレモンは、かき氷用のブルーハワイシロップとレモン果汁かと思われるが確証はなく、アサヒのレモネード緑茶に至っては味の想像がつかない。レシピを公開してくれないだろうか。
- XでASA声明についてコメントしたらリポストやいいねが複数ついたので、まだ知られていないのだと思い、自作テキストにも追記した。
- トランプ政権はどうあってもアカデミアを支配したいようだ。5年前に菅首相による学術会議会員任命拒否があり、今年は日弁連など数多の反対があったにもかかわらず成立してしまった学術会議の法人化など、日本でも同様に進行している事態だが、自由の国であったはずの米国がこうなってしまうとは、オバマ政権の頃は想像もしなかった。
- YouTubeがオススメしてきた古山菜の花『もののけはいないよ』(音楽深化論でのパフォーマンス。24歳は「少女」と呼ぶには語弊があるが)が素晴らしい。ちょっとキャラを作っている気配はないでもないのだが、振る舞い方やギター、ハーモニカから、知久さんをリスペクトしてるんだろうなあというのは伝わってきたし、ギターもハーモニカも歌も上手い。古山菜の花オフィシャルウェブサイトがあって、noteを書いていることも知った。noteのフォロワーがまだ2桁しかいないのは意外。
- Xで70歳平均余命、80歳平均余命は?とコメントいただいた。講義資料のスライド13(Rコード)では、完全生命表を使った計算しかしていないので、余命等価年齢は2020年までしか出していないのだが、簡易生命表でも計算は可能なはずなので、採点が終わったらやってみよう(人口構造等価年齢も推計人口でやればできるが、今年10月のセンサス結果が出るのを待っても良いだろう)。
- 今日のドラゴンズは髙橋宏斗投手が8回を無失点に抑え、9回には怪我から復活した松山投手が無失点で、攻撃の方ではボスラー選手が2打点、鉄壁の二遊間の守備もあり、2-0で勝ったのは良かった。
- 採点は終わらなかったが20:00を過ぎたので帰途に就いた。
- 報道特集を見逃してしまったが、TBSが「張本勲さんが語る広島での被爆」を公開してくれた。マスメディアがパンデミック当初にはCOVID-19関係の情報を無料公開してくれていたのと同じく、公益のために(この記事の場合は核兵器の非人道性を広く訴える重要な資料として)公開してくれるのはありがたい。
- 帰宅して晩飯を作って食べた後、さっきの計算をやってみた(Rコード、pdf形式出力)。1歳刻みでしか計算していないので微妙な変化がわからないが、1970年の65歳平均余命と最も近い平均余命を示す2つの年齢を出して一致するように按分すれば、もう少し微妙な変化がわかるはず。いずれにせよ、2020年までずっと上昇してきた65歳平均余命等価余命年齢は、男女とも2021年に横這い、2022年以降は1年短くなっている。等価余命年齢ではなく、直接、2015年から2024年までの毎年の簡易生命表から、0歳、65歳、75歳、90歳の平均余命の推移をグラフにしてみると以下のようになる(描画のために作ったRコード)。

- ちなみに、令和6年簡易生命表の概況を見ると、図4でUSAの平均寿命のCOVID-19による落ち込みの激しさと、日本も男性の平均寿命はスイスとイタリアに抜かれてしまっていることが目を引く。最終ページにある参考資料3-2は死因別損失余命を示しているが、COVID-19による損失余命が2022年のピーク時に男女とも(0歳損失余命は不慮の事故や自殺よりはるかに小さいが)75歳損失余命では(がん、心疾患、脳血管疾患、肺炎、老衰よりは小さいが)不慮の事故や自殺より大きいことが目を引く。2023年、2024年とCOVID-19による損失余命は減少傾向ではあるが、2021年までに比べると段違いに大きく、75歳損失余命は不慮の事故と同程度であることを見ておくべきであろう。レーダーチャートで示すと見やすいかもしれない(H27都道府県別生命表の参考資料のデータで都道府県別レーダーチャートを描くコードにデータを読ませて、都道府県の代わりに年次を別々の線にすれば良いか。年齢別には別の図にして)。
- 生成AIが非構造化データをスケールして構造化データに変換できるようになった点が強力だという研究のXでの紹介。既に原著論文としてpublishされているそうだ。オープンアクセスではないようなのが残念だが。
- Rejectされる論文の特徴というXへのポスト。査読する立場からみても、まあそうだなと思う。
- 日曜も名谷に出勤し、朝オンライン会議をした後はずっと採点。期末試験の採点が終わった時点で20:00近かった。続きは明日だな。勝てた試合だったが、なぜか清水投手を出さずに橋本投手を出して逆転され、そのまま5-6で負けという。
- 月曜は国民の祝日だが名谷に出勤。午前中は留学生の論文指導。やっとゴールが近づいた感じ。もう1人、仕上げに近い段階にいる留学生の論文も見なくてはいけないのだが、再試験通知を出してからだな。
- 今日はジャイアンツと東京ドームでの試合、序盤は0-0。今日は試合運びが上手く、かつ細川選手が攻守に大活躍で2-0で勝った。
- 伊与原新『翠雨の人』をKindle版で読了。一言で言えば傑作。ウクライナとガザで戦争が続き、トランプの米国が核開発疑惑を大義名分としてイランにミサイル爆撃し、学術会議が法人化され学問の独立性が危機に瀕している今こそ書かれ、読まれるべき本であった。科学者の端くれとして女性科学者に与えられる猿橋賞はもちろん知っていたが、Saruhashi Tableの論文とか、Folsom and Saruhashi (1963)のような研究をした方であったことは知らなかった。師匠の三宅さん、後輩の奈良岡さんとともに、米ソの核実験に対して科学の立場でフラットに立ち向かったのが素晴らしい。本書には、素晴らしいエッセイストである数学者藤原正彦さんの大伯父さんである藤原咲平さんとか、(自分も学部生の頃に微量元素の測定をしていたので愛読していた)『生体と重金属』の著者である不破敬一郎さんの若き日の姿などが描かれていて(もちろん想像だと思うが)、そういう面も興味深かった。読み始めた当初、序盤の紫陽花の場面で、竹澤汀「青」を思い出した、とXにポストした後で、伊与原新さんの文章は科学的であると同時に叙情的・詩的でもあるので、こういう連想に至ったのだけれども、むしろ講義で教えている科学的な水循環理解の方を連想すべきだったのかもしれないと思い直し、それもXにポストした。水循環と大気大循環は本書に何度も出てくるテーマで、感染症に国境がないのと同様、大気や水にも国境はないので、環境問題は地球規模で考えねばならない、という、考えてみれば当たり前のことだが、立場により無視されたり忘れられたりしていることが多いように思う視点が鮮やかに浮かび上がってくる構成であり、エピローグ的な「終章」の最後の最後、ラストシーンでも象徴的に出てくる紫陽花が、カリフォルニアの海にかかる虹と相俟って、脳内イメージの喚起に効果的であった。翠雨とは「草木の青葉に降る雨のこと」とのことだが、霧とも分かちがたく結びついていて、戦時中に霧を晴らす研究をしていた三宅さんと猿橋さんの北海道や長野での話と、紫陽花と虹と合わせて考えると、なんとも絶妙なタイトルだと思った。
- 月曜夜にやっているスクールロイヤー+天文+宮沢賢治のドラマ、なんとなく好きで見てしまうんだよなあ。
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