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【第726回】 コメント書き仕事と統計相談各2件(2014年7月8日)
- 6:00起床。日曜夜に買ったパンの残りに杏ジャムを塗って朝食。
- フランスの文化とシステムは大変興味深いが,文化的にも制度的にも日本に応用することは難しいと思う。
- はてなキーワードの「出生率とは」の説明が変。「一定期間の出生数の人口に対する割合。人口1000人当たりの年間の出生児数の割合をいう。一人の女性が一生に産む子供の数を表す場合は、特殊出生率と言う。特殊出生率を足し合わせたものを合計特殊出生率と言い、最近では、出生率と言えばこの合計特殊出生率を示す場合が多い。」と書かれているが,最初の文はまあいいとして(厳密には,その説明だと率にはならないから間違っているが),残り2つの文は致命的に間違っている。辻褄を合わせるためには,2文目を,「女性の年齢別に,各年齢の女性がその年に産んだ子供の数を,女性人口で割った値を年齢別出生率(総人口でなく女性人口で割るため,年齢別特殊出生率ともいう。英語では最初の文に書かれていた出生率――普通出生率ということもある――をbirth rate,特殊出生率はfertility rateとして使い分けられている。しかし年齢別に普通出生率を計算することはまずないため,1984年以降,日本人口学会では,age-specific fertility rateも年齢別出生率と訳せばよいとしている)という。」と変え,3文目を,「年齢別出生率を足し合わせたものを合計出生率(と訳すべきというのが日本人口学会の推奨だが,厚生労働省などはまだ合計特殊出生率と訳している。英語ではTotal Fertility RateなのでTFRと略す)といい,最近では出生率といえば合計出生率を示す場合が多い」とすれば良い。誰か「はてな」をやっている人,直して欲しい(追記:コメントに書かれているように,たけしょうさんが直してくれました。Thx>たけしょうさん)。
- 9:00締め切りだった某審査のコメント書きを9:03頃に済ませてメール送信。その後,10:30頃から数十分,大学院生からの統計解析相談。変な値が出たということだったが,ゼロ割りエラーでは仕方ない。もっとも,vcdパッケージのoddsratio()関数では,2×2分割表のどれか1つでも0人だったら,ゼロ割りにならないように各セルに0.5を加えてオッズ比を計算してくれるので,たぶんSASもそうなのだと思うが,あくまで便宜的な対応手段であって,数学的に正しい保証はない。
- 数日前に触れたRothman KJ, et al., 2013は,BMIも測っている。表1によるとBMIは年齢層によって有意な差はみられないが,表3ではfecundabilityへのBMIの影響を共変量として調整していたが,係数は書かれていなかった。BMIで18.5未満の痩せ過ぎと,30以上の肥満と,その間の人たちの3群に層別してオッズ比を出してくれたら良かったんだが,連続量として投入したのだろう。Rothman大先生にメールで質問というか,お願いしてみようか? ぼくが去年の人口学会で発表した,日本の低出生の原因の一端は痩せ過ぎ女性の増加によるという説を,直接検証できるデータだと思う。
- 午後は散発的にメールで入ってくる用件に返事を打ちながら,木曜締め切りの某原稿打ち。本当は先日門司さんとのディスカッションで着手したネタをletter程度に仕上げたいのだが時間が無い。
- 夢ナビライブで喋っていると送られてくる,『教育人会議』という冊子があるのだが,その最新号を見ていたら,京都大学の次期総長に決まった山極寿一さんが「研究者から高校生へのメッセージ」を書かれていた。「世界にある未知のことに取り組むのがおもしろくて,そういう感覚をもった仲間が集まって,その中から研究者になるやつもいれば,世界に出ていくやつも企業へいくやつもいる。それが理想の大学での学びだろうと思います。」という結びの言葉には強く共感する。ただ,資格系の専門職を目指す学部・学科のあり方は,かなり違っているし,それはある程度仕方ないこととも思う。
- 最後の院生の統計相談が終わったら20:05だったので,名谷駅に急ぎ,直通終バスで帰宅。
- 吉見投手の一軍復帰登板だったが,リリーフした浅尾投手が打たれてドラゴンズの負け。しかし浅尾投手が打たれたなら仕方がない。吉見投手に勝ちをつけてあげたかったが。
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