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【第1035回】 人類生態研究会+同窓会(2015年6月20日)
- 6:20起床。風呂に入ってから朝食としてキュウリのあっさり漬けと冷や麦を作って食べた。
- 9:16のバスは少し遅れて到着したが,道路が空いていたので,ほぼ予定通りに三ノ宮着。神戸空港に出てSkyMark羽田行きの搭乗待ち中。ほぼ定刻に羽田に着いたので,京急と大江戸線を乗り継いで本郷三丁目に来た。なか卯で昼飯中。
- 移動中は昨日入手した本のうち『2.フィールドの見方』を読みながら来たが,大変面白い。前書きの川喜多二郎さんの3つの科学分類の話は,少なくとも疫学や人類生態学の中には全部含まれているから,分類というよりもアプローチの多様性と思った方が良いと思うが,たぶん「レシピ派」の「実験系」には多額の予算がつくのに,フィールドワークにはほとんど予算がつかない現状への嘆きを書きたかったのだろう。1章の植物と昆虫の話まで読んだが,普通の本には書かれていないようなディテールが大変面白かった。
- 人類生態学の研究会は教室ができてから50周年なので前教授と現教授による教室史と現況の紹介があった。その後,ネパールの思春期児童生徒のカドミウム及び砒素とテロメア長の関係の研究,日本の都道府県別の気温上昇による超過死亡の変化の分析(たぶん日別の総死亡数,CVDによる死亡数,呼吸器疾患による死亡数を目的変数とするポアソン回帰の,夏の平均気温の係数であるβそのものを超過死亡の指標と考えて,βの差を取ることで超過死亡の変化をみるという方法論だったと思うが,そこを誤解した人もいたかもしれない。分析はRでやっていて,懇親会のときに聴いた話では,環境疫学ではRがもはやデファクトスタンダードといって良いほど普及しているということだった。面白かったが,気温や湿度を指標とするなら都道府県ではなくて市町村レベルの方が良かったのではないだろうか。もちろん日別で人口規模が小さいと偶然変動の影響が大きくなってしまうのだが,どうせ平滑化しているのだから,そのデメリットよりも気温や湿度の代表性が上がるメリットの方が大きいように思う),PNGの小集団の長期間の家系図データベース化(というよりもサゴデンプン作りの動画の方が時間的にはメインだったが),日本の高齢者を対象にした睡眠改善のための認知行動療法のRCT,とバラエティに富んだ発表がなされた。一つの研究室でこれだけ多様なテーマを扱っているところは珍しいと思うが,面白かった。
- 懇親会は二次会の途中までいたが,22:50頃辞去して東京駅に向かった。23:30発の夜行バスで三ノ宮まで約9時間の予定だが,2階右側の後ろから2列目の席で,右側だと通路が広いので良かった。
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