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【第2132回】 何のこだわりなのか(2026年7月10日)
- NHKの朝ドラ『風、薫る』で、りんが新潟に行く話がでてきたが、きっかけが史実とまったく違うのが解せない。看護師の勤務条件の改善を求めて直訴した結果、医師との人間関係が悪化して都落ちしたという史実に対して、末期がん患者を無断外出させ病状が悪化して亡くなってしまったトラウマからPTSDが酷くて看護臨床ができなくなって自主退職せざるを得なくなり、地方の住み込み舎監という食い扶持をあてがってもらったという物語は、あまりに大関知さんに対して侮辱的ではないのか。遺族から文句が出るのではないか? とも思うし、何のために必然性のないPTSDエピソードを作ったのか、脚本家か監督か知らないが、制作陣が何にこだわっているのかわからない。
- 「男系継承は中国文化」養子案は日本の伝統脅かす 落合恵美子氏(毎日新聞20260627)。推古天皇以来、歴史上8人の女性天皇は存在するし、海外の王室でも女王というのは別に珍しくないから、少なくとも国民主権の日本国憲法下での象徴天皇の性別はどちらでも良いはず。富国強兵を目指した大日本帝国憲法下でできた、天皇を統治者かつ三軍の統帥として「神聖にして冒すべからず」と神格化するために「万世一系」と箔付けをした皇室典範が男子と定めたのが戦後も残ってしまっただけのことであろう。この少子化の時代に男子だけとするのは不合理で、皇室典範から男子に限るとした部分を除くだけにすれば、最小限の変更で済んで、しかも江戸時代以前の伝統に戻すわけだから、とくに無理なことではないだろう。性別による差別を禁じた日本国憲法にも合う。
- その上で、男系(という言葉は気持ちが悪い。英語もpatrilinealだし、父系と言って欲しい)継承については、推古天皇や持統天皇も父方に元天皇が存在し、歴史上例外がないのかもしれないが、たぶん偶然だと思う。落合さんの指摘する通り、そこにこだわるのは日本のではなく中国の伝統で、元々双系(bilineal)だった日本社会に、中国の父系文化が流入したのが歴史的経緯であるという考え方が歴史学者の中では主流らしい(毎日新聞の落合さんの前掲記事に加え、これも参考になる)。patrilinealな継承の意味は生物学的にはY染色体の継承だから、女性を認めると不整合というなら、推古天皇や持統天皇を否定することになってしまうので、逆にY染色体には何の意味もないと考え、元々の日本文化に立ち返って双系相続でも良く性別にもよらないとしてしまう方が合理的だと思う。そもそも、生物学的な遺伝の意味を重視するのなら、養子こそ不整合であろう。
- 男系男子でなくてはならないとするコバホーク氏の会見を目にしたが、これも、何にこだわっているのか1ミリも理解できない。
- 例年なら7月上旬に公表されているはずの国民生活基礎調査が未公表だが、今月の公表予定にも見当たらないのは不思議だ。ちなみに2025の人口動態統計確定数の公表は9月に予定されている。
- いつの間にかR-4.6.1(コードネーム:Happy Hop)がリリースされていた。wilcox.test()のバグフィックスがあったとのことだが、レアケースへの対応らしいので、たぶん大きな問題ではないと思う。例によってR-4.6.1をダウンロードしてインストールし、起動アイコンと環境変数のパスを4.6.0から4.6.1に書き換え、R-4.6.0をアンインストールしてから、インストール済みのパッケージを全更新した。環境変数R_Libsを使ってパッケージのディレクトリは固定しているので、R本体を更新してもupdate.packages(checkBuilt=TRUE, ask=FALSE)するだけで良い。
- 【衝撃】内閣広報官、高市総理の経歴疑惑で「捏造ポスト」を発信か…総理の「アメリカ人元上司」が明かした驚きの事実(週刊現代、20260710)は、確かに衝撃としか言いようがない。灰色バッジ付きの内閣広報官アカウントが『キップ・シェルーテスさん(総理の米国時代元同僚)に直接「取材」した』とXにポストしていたが、週刊現代がシェルーテス氏に内閣広報官から本当に取材を受けたのか確認したところ、『日本政府の代表者から連絡を受けたことは一度もありません』と返事が来たとのこと。広報官の公務として(=灰色バッジのアカウントから)明らかな虚偽をポストするという行為は背信行為であり、国家公務員倫理法第1条にある『職務の執行の公正さに対する国民の疑惑や不信を招くような行為』に抵触するので、国家公務員法第82条1項により懲戒されるべきではないか。
- 昨日のDemographyの講義で使ったRコードにいろいろ追加したので更新した(追加されるグラフ)。
- ドラゴンズはカープに10-1で快勝であった。
- 上野千鶴子:わたしが女性天皇を歓迎しないこれだけの理由 | WEB世界(2026.7.10)は、一理あるとは思うが、これに共感する人はほとんどいないだろうなあ。当事者を蚊帳の外に置いた議論になっているという指摘は重要だと思うが。
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