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嘘も揶揄も良いものではないが、どちらが社会をより悪くするかといえば、それはもう、圧倒的に嘘である。
揶揄や皮肉は正面から問題に向き合うことを避け、搦手から攻撃する戦略なので、品は悪いかもしれないが、大抵の場合、弱者から繰り出される窮余の一策である。大事なことは、揶揄や皮肉であっても、議論が成立する点にある。
ところが、嘘(意図的な偽りであれ、意図しない誤りであれ、同等にそうだが、意図しない誤りの場合は事実の提示によって誤りを認めるならば嘘とは言い切れないので、狭義で考えると、意図的な偽りを指す)があると、議論が成立しない。議論というものは、相手が事実に基づいた論理的一貫性がある語りをしているという前提が共通理解にあるから成立するので(自分の本意でないことを主張しなくてはいけないディベートであっても、そこは変わらない)、相手が嘘を言っているかもしれないということを前提にしなくてはいけないと、議論にならない。論理的一貫性がないことを指摘しても「そんなことは言っていない」と嘘をつかれればそれまでである。公平で賢い審判がいれば嘘をついた方を負けと判定できるけれども、そんな審判は実在せず、多くの議論は多数決によるので、嘘をつく戦略が横行している。これを絶対悪としない限り、議論の質が限りなく本質からズレていき、社会的合意形成が不可能になって、社会は悪くなることが自明である。
だから、他にどんな利点があったとしても、嘘つき(しかも巧妙な嘘つきは虚実織り交ぜる点が悪質だ)だけは許容できない。
民主主義に基づく議論で立法を司る国会議員として、嘘つきだけは選んではいけないと思う。
Penthouseの『青く在れ』(何度見ても完璧なMVと思う)は椎名林檎『NIPPON』へのオマージュではないかと書いた最大の理由は、『NIPPON』に出てくる「気高い青」と、『青く在れ』の「気高くて美しいんだ」という歌詞にある。アップテンポなビートも似ているのは、どちらもスポーツ大会のテーマソングだからだろう。『NIPPON』は2014年度のFIFAワールドカップブラジル大会から2016年度までNHKでサッカー関連の番組のテーマ曲として使われ、『青く在れ』は第6回全国大学対抗男女混合駅伝のテーマ曲として作られた。
そこでふと気になったのが、「気高い青」ってどんな青なんだろうかということだ。
ワールドカップサッカーでの日本代表チームのチームカラーがサムライブルーと呼ばれていることは有名だが、調べた限りでは、特定の色コードは公表されていないようだ。JFAのサイトで2014年のジャージの色を見ると、#1D2E69であった。どちらかといえば濃紺に近い色だ。JFAロゴの青は#29284Dで、微妙に違っている。一方、椎名林檎の『NIPPON』は、歌い出しが「フレーフレー日本晴れー」なので、快晴の透き通るような空の青を意図しているような気もする。それならむしろ#0067C0のような色かもしれない。
全国大学対抗男女混合駅伝は、第4回までは国立大東西四大学対抗戦も同時開催されていて、淡青の東大も濃青の京大も参加していた(だから東大と京大の運動部の交流試合は双青戦と言われる)ので、大島真帆さん以外のメンバーが東大卒であるPenthouseの曲としては、この青は淡青であってもおかしくはなかった。ただし、去年の第5回(実はテーマ曲がリトグリの名曲『晴れの舞台』だった。こちらは「嘘みたいな青に向かって高く手を伸ばす」なので、たぶん青空を意味している「青」だろう)から国立大対抗戦が消えてしまったので、『青く在れ』の青は淡青でも濃青でもなさそうだ。国立大の中では筑波大学が駅伝は強豪で、この全国大学対抗にも毎年シード校の1つとして出場していて、スクールカラーこそつくば紫だが運動部の統一カラーはFUTURE BLUE(参考)なので、作詞の大原さんが密かにこの青をイメージしたという可能性はなくも……いや、まあないか。
結局、気高い青がどういう色なのかは謎なままだが、たぶんスポーツの勝負に全力を賭ける青春の輝きを歌っているという意味で、若さをイメージする比喩的な「青」なのだろう。ちなみに、青系統の色や水色系統の色はこれら以外にもたくさんあり、ヒトが色というものと深く関わってきた歴史を感じて、これもまた興味深い。
ちなみに、これらの色を見るRコードは以下。
X <- rep(1,7);names(X) <- c("#0000FF","#1D2E69","#29284D","#0067C0","#418FDE","#00205B","#00C1D4");I <- barplot(X, col=names(X), horiz=TRUE, axes=FALSE);text(rep(0.5,3), I[5:7], c("淡青", "濃青", "FUTURE BLUE"), col="white")
追記:大原さんはドラゴンズファンなので、ドラゴンズブルー(これも何度も変わっているし、公式色コードは不明)である可能性も僅かにあるかもしれない。その後、ふと『NIPPON』の「混じり気のない」を最もシンプルに考えたらRGBのRとGが0でBが255の青なんじゃないかと考えて若干コードを書き換えた。
あと、Penthouseの曲には良くあることだが、やや文語的な歌詞表現がこの作品でも特徴的に使われていて、「誉(=ほまれ)か餞(=はなむけ)か意味を知らねど」とか、「希う(=こいねがう)」とか、「熱る(=ほとぼる)」とか、あまり日常的には使わない言葉だと思う。後者は「熱りが覚めるまで」のように否定形の悪い意味で使うことが多いが、ポジティブな用例を初めて見た。若いファンは語彙が増えると思うので、是非意味がわからなかったら辞書を引いて欲しい。「鎬ぎ合う(=しのぎあう)」は、たぶん普通に「しのぎあう」と聞くと「凌ぎ合う」と思ってしまうが、これは鎬を削り合う意味のように思うので、この字の方が良いのだろう。惜しむらくは「ひしめき」を「犇めき」と表記してくれなかったことか。
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Written by Minato Nakazawa, Ph.D. | Notice to cite or link here | [TOP PAGE]