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【第656回】 まだ締め切り対応(2021年2月17日)
- 7:30起床。81.65 kg。やっぱりか。雪が舞っている。98%,36.1℃。
- 人類生態学では因果関係は環境のコンテクストに依存すると考えるので,あまりにも単純化した予測モデルは(それはそれで面白いのだけれども)現実に合わなくても当然だと思う。去年の3月,割と丁寧に紹介したインペリグループのCOVID-19報告シリーズ第9報は,年齢別の地域人口や移動データも含めた100万人規模のシミュレーションなので(既に新型インフルエンザ対応のためにできていたものの改変流用なので短期間でできたのだと思うが),NPIsの評価や,それと組み合わせたさまざまなワクチン接種戦略の費用対効果の評価をするには,そういうものが必要だろう。当時,一瞬,simkobeみたいなものを作ろうかと思ったが(データは神戸市と提携するとか,コード開発はGithubとかでバザール的にやったら良いかなあ,とかいろいろ考えたが),思考実験してみると,そもそも神戸市が乗ってくれそうにないし,そういう交渉も大変だし,その壁を乗り越えたとしても,外部との往来とか不確定要素があまりにも多すぎるので,シナリオごとの予測の幅が広くなりすぎてあまり意味ないかと思って断念していた。しかし,今後,特定接種と臨時接種によるワクチン接種をする際に,優先順位付けの根拠を出すには必要なアプローチかもしれない。神戸市の全面的な協力と3桁規模のプログラマの協力が必要だと思うし,自分が主導するには他の仕事を放り出さなくてはできないので,現実的には難しいなあ,と思うと,一歩を踏み出すことができないが(アドバイザーくらいならするが)。インペリグループはCOVID-19 planning toolsからCovid-19 Scenario Analysis Toolというシミュレータを提供していて,日本も含めた世界各国について,ワクチンの有効性や持続期間や利用可能割合などを操作してプロジェクションできる。UKでもワクチンなし(グラフには"counterfactual"=反事実と表記されているがマニュアルにはワクチンなしを意味すると書かれている)だと次の冬には8000人以上の死者が出るが,日本を選ぶと,ワクチンなしだと次の冬には3万人近い死者が出るというプロジェクションは,ある意味衝撃的だ。しかし最初に書いたように,これは各国のコンテクストまで考えていないプロジェクションだから,日本について現実的な効果予測をするには,やはりsimkobeとかsimjapanみたいなものを最低限作る必要があると思う。誰かやってないのかなあ。
- Microsoft365Rが公開、「365」をR言語から操作できるというニュース。MSはMicrosoft R Openという形でずっとRに貢献してきたが,なるほど,こういう展開も考えていたのか,という感じ。
- 3月10-11日の大阪城ホールのファンクラブ限定申し込みが今日締め切りだが,この状況では,いろいろ考えると,まだ自分は申し込めない。武道館の配信素晴らしかったし,感染リスクは十分に低いとは思うけれども。
- [Rd]メーリングリストに,Hiroaki Yutaniさんからのバグレポ。R-4.0.4のWindows版とMacOS版でprint()が正しく漢字を表示してくれず\u****表記になってしまうけれどもmessage()とかcat()は正しく表示してくれるという。4.0.3ではそんなことは起こっていないので,4.0.4になったときのunicodeの内部テーブルの拡張(絵文字とか扱えるようになったらしい)の影響なのだろう。
- メモだけ。Prof. Marc Lipsitchのtweet。
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