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【第955回】 テキスト更新(2022年1月30日)
- 7:30起床。
- 昨日書いた男女の平均寿命の差の話を、裏RjpWikiさんがさらに展開してくださった。なるほど大災害の影響で格差が縮小した可能性はある。ただし、COVID-19については、男性の方がハイリスクなので、2020年でも微妙に格差が大きくなっているように見える。
- 井出草平さんの順序α (Ordinal Alpha)[R] で、userfriendlyscienceがufsに変わっていたことを知った。もっと困ったのはposthocTGH()がufsには入っていなかったこと。検索してrosettaというパッケージに入っていることがわかった。弘前大学の改変RコマンダーはGames-Howell法をサポートしているので、とっくにこのことには気づいていて依存パッケージの変更もされていた。R-4.0.5以降の変更とのこと。保健学研究共通特講IV/VIIIのテキストとして作っている「保健・医療研究の進め方入門」の記載も直して1.0.4版とした。
- 去年の8月にPMDAが抗体検査キットの性能比較を公表していることに触れて、抗原検査キットについても同様な試験結果を公表して欲しいと書いたが、いまだにPMDAのサイトには情報がない(認可したキットの一覧はあるが)。ただし、アドヴァイザリーボードの第60回会議(2021年11月25日)に提出された舘田委員提出資料によると、やはり抗原検査キット間の差はかなりあって、特異度がほぼ100%のものもあれば、70%程度しかなくて使えないなというものもある(ただし、すべて検査対象が違うので厳密な比較にならない。同じ条件で比較するためには、やはりPMDAが抗体検査キットと同様な比較試験をすべきと思う)。同じ回に提出された北野宏明委員提出資料を見ると、オミクロン株が見つかる前のモデルなので仕方ないのだけれども(けれども、同時にそれは、2ヶ月以上先の予測など何の意味も無いことの証拠にもなるが)、大澤先生のSEIRS回路格子モデルのブースター接種なしの場合だけが第6波を正しく予測していて、他のモデル(AIとか経済学者のものとか、疫学的知見によらないもの)はすべて読みが甘かったことが事後的にわかる。ちなみに、アドヴァイザリーボードにオミクロン株のデンマークと南アフリカでの急増から倍加時間がきわめて短いという分析結果を西浦さんが提出したのは2021年12月16日の第63回のことだった。世界のどこかで感染者がある程度増えるまでは疫学的分析はできないので、WHOに南アフリカでのB.1.1.529発生が報告されてから3週間でここまで分析できたのは凄いと思う。その時点でアドヴァイザリーボード全体と政府がオミクロン株による第6波リスクを正しく受け止めてくれていたら、年末年始の人の動きをもう少し制限するような対策がとれたかもしれない。2021年12月28日のアドヴァイザリーボードへの西浦さんの提出資料には、南アフリカでのピークアウトを説明する仕組みとして、オミクロン株の世代時間が短く基本再生産数はそこまで大きくない可能性が指摘されていたので、遅くともこの時点で1週間の厳しい緊急事態宣言を出すことができれば、第6波がここまで大きくならないように防ぐことは可能だったはずだ。日本は、これまで緩い制限を長く掛けるというやり方しかしていないが、世代時間が短いことで伝播性が高いオミクロン株には、エピカーブ早期の厳しいNPIsを1週間とかの短期間掛ける方が有効なことは、ほぼ自明なんだがなあ。
- 感染研のサイトに、SARS-CoV-2の変異株B.1.1.529系統(オミクロン株)について(第7報)がアップロードされていた。表内にUK HSAはBA.2をVUIに指定したと書かれているのは、Technical Briefing 35のBA.2の冒頭に"The Omicron variant sub-lineage BA.2 was designated a variant under investigation (VUI-22JAN-01) by the UK Health Security Agency (UKHSA) Variant Technical Group on 19 January 2022."と書かれている通り。UKは既にBA.2のリスクアセスメント結果も発表している。重症度はまだデータ不十分で不明だが、感染力がBA.1より高いことはほぼ確実とのこと(ということは、南アフリカの早期ピークアウトはBA.2がなかっただけという可能性もあるのか?)。
- 2022年1月27日付けで、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第6.2版が出ていた。昨年11月2日の6.0版、12月28日の6.1版と更新されてきている。厚労省の指針としては、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)病原体検査の指針 第 4.1版というものも、2021年10月5日付けで出ていた。最新かどうかはわからないが、検体自己採取ガイドラインは、この版から含まれたとのこと。
- 某プレゼンファイルは完成していないが、それより優先した期末試験問題が一応できあがったら3:00だった。4時間眠ろう。
(list)
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