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【第1287回】 書類仕事と採点と会議とミーティングの日(2023年2月9日)
- 7:30起床。83.45 kg。
- 食材が尽きかけているので、買い置きの冷凍アヒージョを調理して玄米ご飯と合わせて朝食。
- Windows Updateで累積更新が掛かった。手元のWindows 11マシン4台すべて更新して再起動が完了するまではかなり時間が掛かった。
- Libre Office 7.5がリリースされたので、ついでにインストールしてみた。
- 今日は期末試験の採点と推薦状作りが昼間の仕事。時間があればサニテーション本の担当章の索引付け作業をする。夕方に検査専攻の会議があり、6限には毎週恒例のミーティングだが、帰宅するタイミングをどうするかだな。食材も買わねばならないし。
- PenthouseのCD『Balcony』が3月29日発売との発表があり、アマゾンで初回限定盤を予約購入した。初回限定盤はCD+DVDなのだが、もう少し高価でも良いので、CD+Blu-rayにして欲しかったところ。既発曲が多いので、3月22日発売のデジタル版は、新録音なら買うが、そうでなければ見送りかなあ。
- 西浦さんがこのtweetで紹介している、昨日付けのアドバイザリーボード提出資料「マスク着用の有用性に関する科学的知見」は、きちんと論文を引用して書かれている点は有用。ただ、引用文献にdoiをつけてくれたら、もっと有用だったのにと思う。デンマークで行われたRCTでは有意差がなかったという文献6は、ざっと目を通してみると、個人ベースのRCTではあるのだけれども、(1)1ヶ月の罹患リスクを、セルフサンプリングによる抗体検査でIgGかIgGの陽性、有症状時のRT-PCR陽性、臨床診断のどれか1つでも満たされた場合という複合診断にしている、(2)コントロール群がマスクをまったく着用しなかったのかが不明、(3)介入群のマスク(ヨーロッパの医療用マスク規格EN14683のType IIのものを供与しているが、配布された手順書には、鼻と顎下までを覆うようにとしか書かれておらず、隙間がないように着用できたか不明)着用遵守が推奨通りにできた人が46%、部分的に遵守した人が47%、遵守しなかった人が7%となっており、ITTで解析した場合と遵守しなかった7%をコントロール群に含めた解析では統計的な有意差がなかったと書かれているが、47%を除くかコントロール群に含めた場合にどうなるかが書かれていない、といった弱点があり、検出力が低下している可能性は否めない。2020年4月から5月に行われた研究なので、全員に週2回のRT-PCRを受けてもらうというデザインは不可能だったのかもしれないが、RCTだからといって強力なエビデンスと言えるかはわからない。
- Dr. Eric Topolがこのtweetからのスレッドで紹介している、発症後7日以内のPEG化(ポリエチレングリコールに結合させた)インターフェロンλ投与(マンニトール、Lヒスチジン、界面活性剤ポリソルベート80、塩酸を含む水溶液の0.45 mL皮下注)をプラセボ投与群(生理食塩水の皮下注またはカプセルか錠剤の内服による)と比べたRCTでCOVID-19の入院を50%減らせたという論文、Reis G et al. "Early Treatment with Pegylated Interferon Lambda for Covid-19"(NEJMの原著論文、2023年2月9日)からすると、この薬はもしかすると有望かも。微量皮下注で良いのは大きい。
- 同じくDr. Eric Topolがこのtweetで紹介している短報、Levin JM et al. "The political polarization of COVID-19 treatments among physicians and laypeople in the United States"(ProNAS、2023年2月8日)は、米国ではリベラルと保守が事実について合意しない現実があり、専門家はこの不一致を弱めるべきであるという立場から、一般人と救命救急医の間でCOVID-19治療について信じていることの両極端度を比較し、政治的スタンスなどその他の質問項目との関連を分析している。補足資料にプロトコルや質問文の詳細が載っていて興味深い。共変量を多数調整した上でも、一般人でも救命救急医でも、政治的イデオロギーからCOVID-19治療について信じていることが予測できると結論している。臨床医ではなく公衆衛生を学んでいるはずの産業医だったらどうなったかが知りたいところ。
- コロナワクチン誤情報スケール(CVMSと名付けられている)を開発し、ワクチン忌避と関連していることがわかったという論文が出ていたので、ざっと目を通してみた。Bok S et al. "Psychometric development of the COVID-19 vaccine misinformation scale and effects on vaccine hesitancy"(Preventive Medicine Reports、2022年12月6日)である。米国で行われた2つの研究ではクロンバックのαが0.95を超えていて、重回帰分析で性別、年齢、世帯規模、所得、学位を調整した上でもワクチン忌避尺度(SAGEのワーキンググループで開発され、いくつかの国で試して妥当性検証済み)と正の関連を示したとのこと。仮に日本語版を作ったとしても、翻訳に伴う問題や、文化的バックグラウンドや(質問項目に入っているがエルダーベリーなんて聞いたことなかったし……いやこうやって警告が出るくらいだから、日本でも有効だと言っている人はいるのだろうが)、世間一般の人々のヘルスリテラシーレベルなど、いろいろな違いがあるので、日本で使えるかどうかはわからないが興味深い。ちなみに質問文は以下の通り(カッコ内は適当な私訳。これはどれも誤情報であることに注意)で、それぞれ「絶対違う」という1点から「絶対正しい」という5点までの5件法での回答が求められている。
- A COVID-19 vaccine will cause someone to be more susceptible to other diseases
(COVID-19ワクチンを打つと他の病気に罹りやすくなる) - Vitamin and mineral supplements are just as effective as a COVID-19 vaccine
(ビタミンやミネラルのサプリメントはCOVID-19ワクチンとまったく同じくらい効果的だ) - Microchips are inserted during COVID-19 vaccination
(COVID-19のワクチン接種中にマイクロチップが挿入される) - A COVID-19 vaccine alters someone's DNA
(COVID-19ワクチンはDNAを変化させる) - COVID-19 vaccines cause autism
(COVID-19ワクチンは自閉症を引き起こす) - Herbs like thyme are a natural COVID-19 vaccine
(タイムのようなハーブは天然のCOVID-19ワクチンである) - COVID-19 vaccines cause neurological damage
(COVID-19ワクチンは神経学的な障害を引き起こす) - Elderberry is a natural COVID-19 vaccine
(エルダーベリーは天然のCOVID-19ワクチンである) - People COVID-19 vaccinated endanger the lives of others
(COVID-19ワクチン接種を受けた人は他人の生命を危険に晒す) - COVID-19 vaccines will damage someone's spinal cord
(COVID-19ワクチンは脊髄に障害を与える)
(list)
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