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【第1818回】 学位記授与式など(2025年3月25-29日)
- 火曜は学位記授与式であった。検査専攻主任としてやるべきことは学位記を読み上げて授与するだけかと思っていたが、実は全員に授与した後で祝辞を述べねばならないことが判明し、慌ててスマホで作文した(書いた原稿をそのまま読み上げるのが苦手で、その場で若干アレンジしたので微妙に内容は違うが以下の通り)。
検査技術科学専攻の皆さん、ご卒業おめでとうございます。
午前中の学長祝辞にもありましたが、現代は非常に変化が速く、とくにAIの進歩の速さは凄まじいものがあります。
2023年3月にChatGPT-4が発表されたときから、それまで実用性が乏しかったAIがビジネスに広く使われはじめ、その年のうちは性能一位をキープしていたのですが、2024年末までに70以上のLLMの性能がChatGPT-4を超えました。
画像生成の機能も改善され、本物と見分けのつかないフェイク画像が動画を含めて世の中にあふれています。
まとめとかレビューを作るといった加工作業については、人間がAIに勝てなくなる日も遠くないでしょう。
そんな中で、人間でなくては得られない情報は何かと考えると、たぶんモノや人から一次情報を引き出す部分だと思います。皆さんは検査技術という、まさにその部分のスキルを磨いてきたわけです。今後様々な進路に進まれると思いますが、正しい一次情報を自分の手と目で引き出すことを大切にしてください。
もう一つ付け加えるなら、変化の激しい社会から取り残されてしまわないように、自分自身の専門的な仕事が忙しいなかでも、時々は周囲や世界に目を向ける機会ももってください。
皆さんの今後の活躍を期待しています。以上、簡単ですが餞のご挨拶とさせていただきます。
- Kindle版の鈴木俊貴『僕には鳥の言葉がわかる』を読了。最高に面白かった。生物学のパラジウムシフトを起こし新しい学問分野を作った、ワクワクする研究生活自伝。仮説検証のために必要なデザインが難しくて、ああでもないこうでもないと悩む過程が面白いのと、そこでブレイクスルーを思いついてやってみたら思った以上の結果が得られて、それを国際学会で発表したときの斯界の権威から認められたときの喜びとか、矢原さんの『花の性』、前野さんの『バッタを倒しにアフリカへ』、金森さんの『野生のオランウータンを追いかけて』などと共通する。研究対象に研究者が似てくるという「動物の博士」の節は、『バッタを倒しにアフリカへ』の表紙のコスプレを思い出したが、実はお二人とも白眉センター特定助教だった時期がある(重なってはいない)のに本書で前野さんへの言及がないのはちょっと不思議だった。
- 水曜は年休を取り、私用で東京に行ってきた。1万5000歩以上歩いて疲れた。
- 木曜は名谷キャンパスに出勤し、オンライン会議の後はメールの返事とか書類づくりとか。
- ところで、ちゃくら - 未春 (Official Music Video)とHump Back - 「オーマイラブ」Music Videoは良いなあ。前者はいつの時代にもあるガールズ青春ロックで、後者は生まれたばかりの子どもへの愛を歌いあげている曲で、たしかチャットモンチーにも似たアイディアの曲はあったと思うが、ストレートに思いがでていて良いんだよなあ。2曲ともmoraで音源を買ってしまった。
- 金曜は朝ドラおむすび最終回で、震災の語り部もしている女優さんがヒロインから灘丸山公園で温かいおむすびを貰うシーンがあったが、USB保温機能つきランチバッグのようなもので運んだならともかく、普通のタッパを普通のバッグで運んだだけっぽいのに温かいとは、ヒロインがよほど灘丸山公園の近くに住んでいる設定でないと筋が通らないのでは? もしそういう設定なのだとしたら、それがわかるような描写をしなくてはドラマとしては手抜きであろう。検索してみたら、どうやら制作陣が拘りどころを間違っているようだった。物語中の整合性よりも現実の温かいおむすびを優先するのは自己満足というか独りよがりというか、舞台裏のドキュメンタリーとしては面白いのかもしれないが、作品としてはダメなのではないか。震災の語り部をしている女優さんの起用まではドラマに深みが加わるし良いのだけれども、そこで温かいおむすびの実現に「裏で」こだわってはいけないだろう。ヒロインを管理栄養士にしておきながら、管理栄養士への取材が足りなかったのではないかと思われる変な描写が多々あった(そんなに真剣に見ていたわけではないが、時々見た範囲でも、またかと思うくらいあった)ことも含め、何か、手を広げすぎてとっちらかったまま終わった残念な作品であった。最後無理やり万博につなげなかったことだけは良かったと思うが。
- 物語にとって大切なことは物語の中での整合性であって、逆にどんなに現実にはありえないことでも、物語世界の中で無理なく説明されれば傑作になることはありうる。普通、人間にはできないよね、というような行為であっても、その登場人物ならしてもおかしくない、という背景描写がなされれば、物語として納得できる。そこが破綻してしまうと、ドラマでも小説でも、どんなに部分部分では光る設定や描写があっても、物語としては駄作になってしまう。小説の場合はそれさえも楽しむというメタな楽しみ方をするジャンルもあるようだが(昔瀬名さんとやりとりしたときに書いたように、ぼくは『パラサイト・イブ』や『BRAIN VALLEY』がその破綻のせいでもう一歩のところで大傑作になり損ねたと思っている)、ドラマ、とくに朝ドラでは大半の視聴者は受け入れられないと思う。
- そういう意味で、物語としてはよくできていたのが『日本一の最低男』というドラマであった。最終回の怒涛の伏線回収と、『泣いた赤おに』の「青おに」の役回りを演じることが「日本一の最低男」だったという解題も見事であった。けれども、現実の選挙であったら、と考えると、一平がやったことは、自宅突撃こそしないし、自分も当選を目指しているという体はとっていたので、立花孝志氏よりはマシだが、ステルス2馬力選挙であったわけだし、暴露系SNSを利用して対立候補のネガキャンをしたりと、公職選挙法の公平性の観点からは許してはいけない戦略であった。真壁も知名度が低い泡沫候補扱いになったはずだからメディアがまったく取り上げず、地道な地域活動をしたくらいでは長谷川・黒岩どころか知名度が高い(し、実際に地域のためになる活動もしてきていた)一平にすら得票は及ばないであろう。それなのに一平の戦略が奏功した真壁の当選という物語に快哉を叫びたくなってしまい、良い話だったと思ってしまうのは、一平と真壁の物語としては整合性があるし、それがちゃんと説明されていたからだろう。実は『御上先生』も傑作ではあったが、かなり一つ一つのピースが微妙なバランスの上に成り立っていて、現実の話として考えると、少しでも誰かが期待と違う行動をとってしまうとプラン御上は失敗に終わる可能性も多々あるストーリー展開ではあった。それこそバタフライエフェクトの帰結に至るプロセスは非線形なカオスであり予測不能なたくさんの可能性があるので、悲劇的な帰結に至る可能性もあった。見終わった後には、神崎父を主人公にしたスピンオフや槙野が教師となった続編が見たいと思ったが、実は、どこかで御上の想定から外れてすべてが悪い方に転がり、悲劇的な結末に至るというパラレルワールドを描くことも可能かもしれない。それで蝶の色が微妙に違っていたりすると、偶然によって大きく展開が変わる複雑系であるという、現実の無慈悲さが描けるかもしれない。脚本の詩森ろばさんの頭の中にはそういう裏世界もあったかもしれない。たぶん日曜劇場という枠ではあの描き方、あの物語展開が正解だったのだと思うが、TBSなのだからYouTubeのチャンネルで密かに御上先生の裏世界ドラマを流してくれたり……はさすがにしないか。
- 大谷選手が早くも2号ホームランを打ったそうだ。しかも逆方向。今年もホームランは量産しそうだな。4割80本200打点みたいな、すべてが新記録の3冠王+投手として10勝も夢ではないかも。加えて、ドジャースは開幕3連勝で、1906年カブスのシーズン勝率7割6分3厘を超えてしまうのではないかと夢想してしまう。
- 再起動を要するWindows Update [KB5053656]が掛かった。何台ものPCにこれをするのが面倒だが仕方がない。
- いろいろと事務仕事やメールの返事に時間がかかっている。
- NPBも開幕。ドラゴンズは福永選手の故障離脱が大変痛いが、代わりにセカンドを守っている山本泰寛選手はガオラーなので頑張って欲しい。が、結局0-5でベイスターズに完敗であった。しかしスワローズの負け方よりはマシか。
- 土曜は三宮近くの店で、神戸大の大学院で自分が指導してきた同窓生たちが還暦を祝ってくれる昼食会、兼、今年の学位取得者の祝賀会をしてくれることになっているので、11:00頃に出発する予定。朝食で食材が尽きたので、帰りに食材を買うのを忘れないようにしないと。
- 乾杯のとき水の入ったグラスを倒して割ってしまうという大失敗をしてしまって気まずかったが、久々に会う人もいて、楽しい昼食会であった。mont-bellのベストとか名前入りの赤い魔法瓶水筒とか、ドラゴンズの選手のサイン色紙とか、いろいろプレゼントを貰ったので、いったん帰宅してからLIFEで食材を買ってきた。ドラゴンズは1-0で勝っていた。それよりも凄いのはドジャースで、ベッツ選手が復調してサヨナラ勝ちしたので開幕4連勝という。
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