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個別鵯記

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【第362回】 日本人口学会2日目の翌日は普通に講義する月曜(2013年6月3日)

アパホテル&リゾート札幌の朝
5:30起床。6:00過ぎに大浴場に行ってゆっくり入浴して疲れが取れたのは良かった。昨日からまだ続けているソロモン諸島データの再整理を8:00過ぎまでやったが終わらないまま,1階に降りてチェックアウトし,売店でパンを買ってからタクシーに乗って市立大学へ。タクシーの中でパンをかじるという朝食が寂しい。今日のタクシー代は昨日より若干安かった気がする。
午前中のセッション
最初の発表,関西学院大学・西村智さんの「男女交際の経済学」という行動経済学に基づいた実験研究。面白いのだが,いくら2群にランダム割り付けしても学内知り合いサンプリングでは一般化可能性に問題がありそう。質問項目ももう少し練れると思う。もっと発表時間を長く取れる地域部会とかでじっくり討論する方が向いているんじゃないだろうか。次のマヒドン大学人口・社会調査研究所グループの発表は,健康と仕事と幸福についての主観的評価をネット調査で得たデータから分析。ベビーブーマーが健康の幸福度への寄与が大きいという結論を多変量解析から導いていたが,世代ごとの単純集計が示されなかった。質問したがすぐにはわからないそうだ。あとでメールで教えてもらえることになった。基本なくして応用なし。次は60ヶ国のデータを使った子供の価値とハピネスと出生力の分析の発表。分析結果から言えたことは,なるほど,という感じだが,ecological fallacyがないか気になるなあ。やはり素朴なプロットを見ておくべき。後2題は人口経済学で,申し訳ないが聞きながらデータ再整理を進め,12:00直前に完了した。
テーマセッション「不妊と人口」
昼休みにクローバーホールという学食で500円でハヤシライスを食べつつ,テーマセッションの打ち合わせ。テーマセッション終了後にどうやって空港に行くかを,受付で調べて貰ったところ,公共交通機関ではどうしても間に合わないことが判明した。仕方ないのでタクシーを呼んで貰って,空港まで直行することにした。料金は高速代別で9,500円とのことだが,仕方ないか。テーマセッション「不妊と人口」は参加人数が少なかったが,会長や大会長がいたし,議論はそれなりに盛り上がったので悪くはなかった。来年の明治大学での大会でも,継続して生物人口学セッションをもって欲しい,と会長から要望があった。この学会の場合,聴衆を集めるには,時間帯や裏番組との組合せも大事なので,そこは配慮して欲しいところ。自分の発表は昨日書いた通り,一言でまとめると,(文化的刷り込みにも起因する)痩せ過ぎが出生力低下の一因なのではないかというアイディアを,いろいろなアプローチで少し検証してみました,という内容。面白がってくれる人は何人もいたが,想定外の質問やコメントはあまりなかった(人類生態の後輩から出た,エピジェネティクスのコホート研究データが使えないかという質問は想定外だったが,痩せ過ぎによる出生力低下があるとしたら受胎確率の低下であって,エピジェネティクスは受胎後しか対象にならないから使えないだろうと返事した)。まあ,試論的な段階というか,現状では半ばヨタ話だから仕方ないか。他の発表は,組織者の小西さんによる主旨説明に続き,ぼくを修士2年のときにパプアニューギニアに連れて行ってくれた大塚さんによる自然出生力と妊孕力の基礎知識の説明,産婦人科医である早乙女先生による,最近のお産は若年層のできちゃった婚に続く出産と不妊治療を受ける高齢出産の二極分化しつつあるように思われるというお話,小西さんによるレビューワークという順序でなされた。自分の発表はその後。休憩を挟んで佐藤先生と岩澤さんからのコメントがあったが,岩澤さんが使った調査データで,出産企図をもった時点での身長・体重データさえあれば,ぼくの仮説は直接検証できるのに,そこを聞き取っていないのが残念だった。次にやる時は是非,とお願いしておいた。
真駒内から神戸へ
16:00少し前にテーマセッションが終わり,タクシーで新千歳空港へ。支笏湖の眺めは雄大だった。17:15頃到着し,17:20頃チェックイン。手荷物検査場が混んでいて,0番ゲートに着いたら17:35でそのまま乗機,17:50発,19:55関空着。20:15発三宮行きバスに乗ったところでtweetしたが,まさに分刻み。疲れた。三宮では10分ほどの待ちで,しあわせの村行きの最終1本前のバスに乗れた。
あまちゃんのメディアミックス戦略
Jetstarの機内誌の特集記事が,5月は松田龍平,6月は橋本愛のインタビューだった。水口さんからユイちゃんへというあまちゃんラインであった。編集スタッフにファンがいるに違いない。これまで気づかなかっただけかもしれないが,あまちゃんのメディアミックスは凄くて,これまでも何度か書いたように,TOKYO FM系列で流れているSCHOOL OF LOCKという番組でGIRLS LOCKというコーナーの4週目担当が去年の春から(ということは,「あまちゃん」の主役が決まる前から)能年玲奈,5週目が橋本愛であり,この4月からは番組内でも「じぇじぇ」とか,夏ばっばに海に突き落とされる効果音とかいった,あまちゃんネタを使いまくりだし,今日tweetされていた情報によると,セブンティーンという若い女性向けの週刊誌には,ドラマのストーリー上,種市先輩が上京して住んでいるという設定のお台場で,種市先輩を演じた俳優と,メールで遠距離交際中であるという設定の橋本愛が浴衣姿でデートをするという企画記事が掲載されているそうだ。そもそも,現実世界における能年玲奈自身の女優としてのブレイクと,「あまちゃん」ストーリー中での「アキちゃん」が地元アイドルから日本のアイドルとしてブレイクするという設定の関連性からして,現実と虚構のクロスオーバーを狙った作りになっているので,今後もこうしたメディアミックスは続くと思う。
RzがMacOS Xでも動く
Rのパッケージの中でもデータのGUI操作を拡充するところに力点が置かれている,林真広さんのRzが,MacOS Xでも動くようになったそうだ。素晴らしい。
京大生の大学論
三中さんのtweetで知ったが,安達千李・新井翔太・大久保杏奈・竹内彩帆・萩原広道・柳田真弘(編)『ゆとり京大生の大学論:教員のホンネ、学生のギモン』(2013年6月,ナカニシヤ出版)は面白そうだ……ということで,脊髄反射的にAmazonに注文してしまった。Amazonといえば,海外の出版社の本を買う場合,出版社直販制度があっても,Amazonから買う方が安いのが普通らしい。音楽CDも初回限定版をAmazonで買うのが安い場合が多いように思う。この現状が続く限り,他の会社はなかなかAmazonに勝てないよなあ。
週明け講義。原書講読でTEDを紹介
月曜朝は直通3番のバスで出勤。4限の講義と18:00からの原書講読があるので,まずは4限の講義準備が必要。講義準備は14:00頃完了。前回の感染症疫学の中で時間が足りずに喋り損ねたワクチン戦略の話をしてから,化学物質の管理ということで化審法と化管法の話など。終了後はメール送受信してから原書講読。WHOのポジショントーク的な論文を読み終えたところで,いろいろなstakeholderから資金援助が必要と書かれていたことを受けて,Dr. Hans RoslingがGapminderを使って国際保健で現在重要な点が30年前とは大きく異なっていることを喋ったTEDの映像を見て貰い,さらにWHOの事務局長補佐の1人としてポリオ撲滅戦略を進めているDr. Bruce AylwardがTEDで講演したときの最後の部分でBill Gatesの質問に答えて資金の必要性を訴えたところを見て貰った。TEDって凄いよなあ。原書講読では学生に英文を読み上げた後で訳して貰っているのだが,英語らしく聞こえるためには抑揚と緩急のリズムが大事ということを,TEDで喋る人たちの講演を聞いて貰うと,ただ理屈として説明するよりも胸落ちするようだ。
晩飯はカレー
直通終バスで帰途に就き,業務スーパーで食材を買って帰宅。先週買って冷蔵庫に残っていた人参3本が悪くなりそうだったので,それを全部投入して,新タマネギとジャガイモとピーマンも投入して,鶏ムネ肉を使ってカレーを作った。玄米カレー。キュウリの浅漬けを付け合わせた。

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