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【第1189回】 年末が近づいている(2015年12月25日)
- 手抜き朝食
- 6:00起床。メールの返事を打ちながらレーズンパンの残りと餅1個とりんご1個で朝食を済ませた。バランス悪いが時間がないので仕方ない。3番のバスで出勤予定。
- リスコミの必要性
- 昨日の4コマ講義の環境保健学では,risk assessment and risk communicationの話をしたが,岩田先生の本にも書いてあるように,risk communicationはメディア対策も含んでいる。環境保健学,広く言えば公衆衛生学は,集団の健康状態の向上を目標とするので,例えばHPVワクチンならばきちんとCRAをやって,その結果を厚労省の担当課がきちんとメディア戦略も立てて国民の理解が得られるように広報すれば良い。実際に政策をどうするのかはCVMで優先順位をつけることもできる。メディアが一面的な情報だけを取り上げることに政策が左右されてしまっているのだとしたら,リスクコミュニケーションに失敗しているのだと思う。実際に副作用が疑われる患者の治療は臨床医学だから,公衆衛生政策とは別の物として推進されるべきだろう。CRAは,例えば単純に考えても,(1)既に認可されているサーバリックスとガーダシルの接種の積極的勧奨を再開するのか,(2)日本は子宮頸がんの原因HPVの型に占める16型と18型の割合が諸外国よりかなり低いから,日本向けのワクチンを新たに開発して臨床試験をして安全性と有効性を確認した上で認可が下りるのを待って接種すべきなのか,(3)子宮頸がんのpopulation at riskではないが,女性にHPVが感染する元である感染源は男性なので,感染源対策として男性にも接種した方が良いのか,(4)このまま積極的勧奨をしない状態を続けるのか,といった考えられるシナリオについて,子宮頸がんだけでなく男性における尖圭コンジローマ予防とか,軽症のものまで含めた有害事象発生とか,ワクチン接種にかかる金や人手といったアウトカムの総体を予測して比較し,総合的に判断して公衆衛生政策としては接種再開が最適な戦略だ,という結果が出て,きちんとしたリスクコミュニケーション戦略に基づいて,その情報を双方向交換すれば,多くの人は納得できるはずだが,それをせずに稀な有害事象の可能性があるから集団接種すべきではないという臨床ベースの意見にエビデンスが乏しいと言って対立していては平行線を辿るだけであろう。なお,予防接種事業が予防接種法に基づいて行われる公衆衛生施策である以上(感染拡大阻止を目的にする以上は,給付行政ではなく規制行政なのだから公権力しか実施の蓋然性をもたない),このCRAやCVMに基づくリスコミは厚労省が責任をもって進めなくてはダメで,大学の研究者とか民間の専門家に任せることはできない。もし厚労省の医系技官にその能力をもった人がいないならば,医師と歯科医師にしか門戸を開いていないのをいい加減にやめて,MPHやDPHをもっている公衆衛生の専門家を採用すべき。
- 村上宣寛『あざむかれる知性』感想
- 研究室のメーリングリストに登録し忘れていた人たちのアドレスを登録し,ついでに昨日届いていた本を紹介した。和文と英文を併記することにしているので手間だったが,村上宣寛(2015)『あざむかれる知性――本や論文はどこまで正しいか』ちくま新書,ISBN 978-4-480-06862-0(Amazon | honto | e-hon)が,パラパラ見ただけでも大変面白い。著者は心理学者で既存の有名な心理テストがどれも信用できないデタラメなものであることを指摘し,唯一信用できるエビデンスがある性格診断としてBig5仮説に基づく質問紙の日本語版を開発したことで知られる(参考:『「心理テスト」はウソでした』日経BP社,既に講談社+α文庫に入っているようだ)。本書ではダイエットと健康をターゲットにして,システマティックレビューとメタアナリシスに基づき,世間で信じられている個別の方法が如何に根拠なく信頼できないかを示していて面白そうだ(ダイエットが4章,健康と長寿が5章)。
- Windows Liveメールの問題
- wer事務用PCからメール送受信ができなくなったというので見に行ってみた。Windows Liveメールというソフトが使われているのだが,POPの認証方法を変えたら接続可能になった。サーバ側には変更はなかったと思うので,おそらくWindows Updateか何かでWindows LiveメールのPOPの認証方法のデフォルトが変わってしまったということなのだろうか? 謎。
- Rでレキシス図
- 【からだにいいもの R】 Rと解析:人口統計学、レキシス図の描写「LexisPlotR」パッケージ……というtweetから当該ページに飛んでみたら,確かにLexisPlotRというのは,gridグラフィクスでレキシス図を描くためのパッケージのようだった。レキシス図はコホート研究のデータ提示に適していて,とくにage-period-cohortの3要因の効果を統合して眺めるのに良い作図法だが,baseグラフィクスでは,既にBendix CarstensenのEpiパッケージにLexis.diagram()という関数があるし(使い方を知りたければ,Epiパッケージがインストール済みであれば,library(Epi); example(Lexis.diagram)の出力を見たらだいたいわかると思う),3要因を分解して捉えるためのapc.fit()やapc.plot()という関数も用意されているので,ggplot2の愛用者でなければ,敢えてLexisPlotRを導入するメリットは感じられないかなあ。しかし,「人口統計学」という言葉を見て思い出したが,このところずっと『Rで学ぶ人口分析』は放置してしまっている。このテキストでは,fmsbとpyramidの他に推奨するパッケージとして,demographyとEpiは必須と書こうと思っているが,その辺のこともまだだなあ。時間が欲しい。
- ダメな昼食
- 昼飯はダイエーで買ったイオンのカップちゃんぽん1個。論文相談に乗っているうちに空腹感が募り,寒いのと相俟って17:00過ぎに論文相談が終わった頃には空腹に耐えられなくなり,3階の自販機でパンを買ってきて食べてしまった。
- 手抜き晩飯を食べながら食品成分表を眺める
- 直通終バスで帰宅。冷凍の小籠包3個を電子レンジ加熱して食べ,同時に米を研いで炊いた。22:00頃炊けたので,高菜ご飯にして晩飯。トマト1個を追加したが,こういう食べ方はダメだなあ。そういえば,今日,5年ぶりに改訂された日本食品標準成分表2015年版(七訂)が発表されたことを,奥村さんのtweetで知った。一括ダウンロードできたら便利だと思うが,どうしてそういう方法を提供していないのだろう。
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