Top

鐵人三國誌・アーカイヴ

Latest update on 2019年1月26日 (土) at 10:43:25.

目次

【第25回】 出張書類と発注と書類・原稿書きの一日(2019年1月22日)

メールに返事を打ってから出勤

6:30起床。豚肉野菜炒めを作り,電子レンジ加熱したレトルトご飯に冷や奴と梅野沢菜昆布ふりかけとなめ茸を合わせて朝食。可燃ゴミを出してから再び家に戻ってメールの返事を打っていたら,すっかり出発が遅くなってしまった。名谷PATIOの弁当屋でバランス弁当を買ってから研究室へ行き,出張書類を作ったり調査器具の発注をしたり木曜の講義資料を完成させて印刷したりしていたら,すっかり時間が経ってしまった。1500字に収めるのは無理だと返事した原稿について4000字までOKという返事が届いたことで断れなくなってしまったので,その編集をしていたら日が暮れた。あとはGSICS院生の修論直し。

甲状腺等価線量と実効線量

東京新聞の記事に対して,疑似科学批判で有名な方々が甲状腺等価線量と実効線量をごっちゃにしていると批判したり,甲状腺等価線量に0.04を掛けて(他の臓器の等価線量は無視できるほど小さいと仮定して)実効線量に換算したりしているのが目に付いた(togetter)。

本当にそうだろうか。

当該記事の『一〇〇ミリシーベルトは国などの資料で放射線の影響でがんの発症が増加し得る目安として使われてきた。しかし、国はこれまで「一〇〇ミリシーベルトの子どもは確認していない」と発表』という文言が,環境省サイトにある資料の8ページにある「1,080人がスクリーニングレベルとしている毎時0.2μSv(=甲状腺等価線量100mSv,屋内退避及び安定ヨウ素剤予防内服の基準)を下回っていました」を指しているのだとすれば,これはすべて甲状腺等価線量の話であって,実効線量と混同しているわけではない。

東京新聞記事の「一〇〇ミリシーベルト」が,ICRPが公式見解として認めている,自然曝露以外に「生涯累積で100 mSvの実効線量曝露」により発がんリスクが0.5%上昇するとしていることや,あるいは事故後初期に空間線量が高かった頃の公衆曝露の暫定基準値を実効線量で20~100 mSv/年のなるべく低い値とした(平常時は1 mSv/年)ことを指すと考えるのは,批判者側の思い込みに過ぎないだろう。

情報公開請求によって東京新聞が明らかにした,少なくとも1人は甲状腺等価線量100 mSvを超えた子供がいて(ということは,もっと多くの放射性ヨウ素を甲状腺に取り込んでしまった子もたぶん複数いて),その事実を政府が公式には認めてこなかったことの意味は重大だろう。ヨウ素剤内服が指示されなかったことは行政の過失といえる。それを指摘している方もたくさんいる(例えばこのtweettogetter)。

各臓器の等価線量に組織荷重係数を掛けて総和を取って実効線量を求める考え方については,田崎さんのサイトの説明そのものはわかりやすい。環境省サイトにある基礎資料を見ると,甲状腺の0.04という組織荷重係数が原爆被爆の際の全身外部被曝と甲状腺がん発症増加の関係から求められたことが明らかで,重量比よりも大きな荷重係数であることから考えて甲状腺が他臓器より感受性が高いことは考慮されていることがわかる。確かに,外部被曝がもたらす発がんリスクについては,この考え方はある意味合理的である。しかし,半減期8日程度の放射性ヨウ素が甲状腺に取り込まれることによる内部被曝の影響として甲状腺がん発症リスクを考える際にも実効線量を計算しているのは意味が無い。内部被曝の場合,甲状腺という臓器が実際に甲状腺等価線量に曝露しているわけで,その甲状腺における細胞のがん化を考えるのに,内部被曝のない他の臓器における低リスクを計算に含めることには合理性がない。影響を薄めているだけである。

牧野さんの『被曝評価と科学的方法』も別の意味で小児甲状腺がんリスク評価の謎をいろいろ指摘されているが,内部被曝の局所影響について等価線量を実効線量に換算することがおかしいことについては,この説明が非常にクリアだと思う。

このことをわかっていて,敢えて東京新聞を貶している方もいるようだが,疑似科学批判する方々がその尻馬に乗ってはいけないだろう。

帰宅してドラゴンズファンクラブからの宅配物チェック

23:00頃帰宅し,鶏もも肉+しめじ+各種野菜のごま油炒めとレトルト玄米ご飯で晩飯。ドラゴンズファンクラブから荷物が届いていたので荷ほどき。去年までは日付指定で公式戦のチケットがついてきたが,今年は6試合中1回だけ使えるナゴドのオープン戦入場引換券と,ファームの試合の入場券2枚がついてきた。研究代表者が名古屋大に在籍しているラオス研究の班会議,2月は長崎でやるが,夏にやるなら名古屋でやってくれないだろうか。その前後にファームの試合があったらついでに見てきたい。

戦力外になった若松投手のトライアウトのためにお父さんが協力した話,涙無くしては読めない。いまドラゴンズは良い若手投手が多いので,故障してからストレートが130 km/h台前半しかいかない若松投手が戦力外通告を受けるのは仕方ないと思う。だが,2015年,初勝利を亡きスカウトに捧げ,チェンジアップを武器に快投を続け,山本昌投手の引退試合で10勝目を挙げたことが強く印象に残っているので,独立リーグが取ってくれたなら,このチャンスを生かして,是非復活して欲しいと思う。

蚊に好かれる人

Gigazineのなぜ蚊に好かれる人とそうでない人がいるのか?は吸血嗜好性の話で,池庄司先生の『蚊』にも書かれている通り,蚊にはさまざまなセンサーがあって,体温や二酸化炭素や足のにおいに代表される化学物質などに誘引されてくることは以前から知られていて,とくに目新しいことはなかった。また,この記事では,蚊の種類によって嗜好性が異なること(昔作ったマラリアの資料の3.4にも少し紹介した)が明記されていないのが残念だった。

もっと残念だったのは途中に掲載されている散布図で,『そこで二卵性双生児と一卵性双生児の研究結果が比較されたところ、一卵性双生児の方が相関関係が強いことが示されました。これは、「蚊に好かれやすさ」に遺伝的な影響が及んでいることを強く示す証拠だとのこと』と本文に書かれているのだが,図を見ると明らかに一卵性双生児群に1点の外れ値があって,それが見かけ上の相関を強く見せているだけであり,その1点を除くと,たぶんどちらの群もあったとしても弱い相関しかなさそうだ。記者はこの図をみて疑問に思わなかったのだろうか?

(list)

前【24】(講義とか(2019年1月21日) ) ▲次【26】(『LSR』と『ビジュアル音声学』(2019年1月23日) ) ●Top

Notice to cite or link here | [TOP PAGE]