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【第349回】 会議とか(2020年3月27日)
- 7:50起床。豚肉とキャベツを炒めてソースで味付けしたおかずとレトルトご飯で朝食を済ませた。
- 今日はいったん名谷キャンパスに出勤し,13:20から情報セキュリティ委員会があるため12:00までには名谷を出て六甲に移動し,終わったら名谷に戻る予定。情報関係なのにオンラインでできないのは……。
- 情報セキュリティ委員会はとくに集まって報告しなくてもメールでいいんじゃないかと思うくらいの内容だったが(質問しても善処しますみたいな回答しか返ってこないし),終了後にA棟改修に伴う教育用端末の処遇について会議を求められて少し相談。そもそも去年からPC必携化になったので2年生以下には不要だし,端末室みたいなところに密集して実習するというスタイルはCOVID-19対策上好ましくないので,廃止するのが筋だと思うが(SPSS契約が終わってからは,たぶんほとんど使われていないし),契約上,途中打ち切りすると賠償金が発生するかも知れず,使えない状態で放置した場合,会計検査院の監査が入ったら遊休施設ということで罰則が下されるかもしれないというのだが,契約時にはCOVID-19は存在しなかったわけだし,廃止は許されるのではないだろうか。もっといえば,これ,全然部局ネットワーク管理とは関係ないと思うんだが,なぜぼくが関わることを求められるのかわからない。来週月曜の情報基盤センター運営委員会のついでではどうかと尋ねて名谷に戻ってきたが,名谷に来ても良いので日程調整して欲しいというメールが入っていたので,メール会議にできませんかと返事を打っておいた。
- この数日の東京のリンクが追えない感染者の急増(大阪と兵庫もか)は,憲法変えるのやだネット長野さんのこのtweetで知った横浜市立大学生命ナノシステム科学研究科佐藤彰洋特任教授による東京都の現状分析と,先日の専門家会議発表から考えると,欧米から高い感染力をもったウイルス(接触当たりの感染確率に比例する係数(この定式化ではαと表現されている)が高いことが意味するのは,例えば飛沫や何かに付着したときの生存時間が長いとか,感染するウイルス数が少なくても定着して増殖しやすいとか,単位時間当たりに排出するウイルス数が多いといった可能性だが,本当にそうなのかはわからない)に感染した人が大量に流入したことによる(SIRモデル上,未検出のIを増やすという操作を入れたら,αを10倍までしなくても当てはまる気がする。やってくれないだろうか?),と考える蓋然性がある。ここに書かれているモデルではR0の過分散は考えておらず(つまりクラスター感染は考えていない),コンパートメントも細かく分けていないので,ラフな推定だとは思うし,スペインとドイツでαが3前後と,1を超えるのは変な気がするが,仮にこの分析が正しいとしたら,3月10日頃までのクラスター対策は日本の感染状況を何とか制御してきたが(これまで書いてきたいろいろな考察から,それはたぶん正しいと思っている),それ以降はクラスター発生以外の(たぶんインフルエンザと同様にランダムにリンクされた飛沫感染や接触感染による)感染者増加が主になってしまったので,クラスター対策では新規感染者数を抑えられなくなったと考えられる。
- こうなってくると,「オーバーシュート」発生を防ぐには,もうロックダウンしかないのかと思ってしまうが,まだやれることはある。欧米からの帰国者からの直接接触による感染が増えているならば,積極的疫学調査で濃厚接触者を検査してクラスター検出をしていたら,そこからの感染者を隔離するのに間に合わないので,おそらく今では有病割合も上がっているから,咳をしている人に近づいたことがあるとか,手を洗わずに口の近くにもっていったことがあるとか,会食の場に咳をしている人がいたという経験がある人全員……は無理だろうから,風邪様症状が出たら(個人的にはSpO2が95%を切ったら,とした方が良いと思うが)検査としても,ある程度の割合で陽性の人を捕捉できると思われる。軽症なら自己隔離しかないが,感染拡大防止には役立つ。もちろん,医師が鑑別診断の必要を認めた人の検査が優先順位トップで,次がクラスターからの積極的疫学調査で見つかる感染者に接触した人全員をクラスターの連鎖を抑えるために検査,というのも従来通りやった上でやらねばならないから,おそらく守秘義務とか個人情報保護とかに関する規定を緩めて,責任はすべて政府がとることにして(つまり検査者は免責する),大学や民間のBSL2+の設備がありリアルタイムRT-PCRができる施設の協力を得るか,あるいは,イムノクロマトかELISAで抗原検出(抗体ではなく)できるキットを開発して血液検査することが必要になるだろう。そうすれば,クラスターによらない感染を下げることができるから,新規感染者の増加を押しとどめられるかもしれない。それをやっている間に準備を整える必要がある(昨日書いたような様々な可能性を検討した上で,生きるための金や食糧は行政が責任をもって提供するから,ライフライン維持のための人員を除いて,外出と対面での会話を全面的に禁止します,と言えるようにする)。社会が混乱して亡くなる人がCOVID-19による死者を上回ってしまっては本末転倒であろう。ロックダウンするとしても,準備ができた後にするべきと思う。
- ただ,新型コロナウイルス対策の「社会距離拡大戦略」が他の感染症も抑えていることが確認されるというGigazineの記事(2020年3月26日)に書かれている,social distancing導入後のインフルエンザ様症状を呈する患者数の減少とか,IDWR速報データのページからリンクされている,定点報告疾患の定点当たり報告数の過去10年間との比較のインフルエンザ,流行性耳下腺炎,ロタウイルスによる感染性胃腸炎が例年よりかなり少ないことを見ると,1月からの頻回な手洗いや濃厚接触を避ける行動によって,接触感染・飛沫感染する感染症のRが全般に低くなっていた可能性もある。例えば,東京から地方に帰省などして発症した人からの感染のRが1を超えていなければ(要確認。データないかなあ),欧米から帰国した感染者がもっていたウイルスのRが高くなったのではなく,見えないクラスターが多数存在するのでもなく,たんに帰国した感染者数が多くて,そこからのクラスター以外の感染(いわゆる濃厚接触による,飛沫感染や接触感染)が同時多発的に検出されるために,新規感染者数が急増しているだけかもしれない。もしそうならば,これまでやってきたことを着実に続けるのでも,「オーバーシュート」が防げる可能性は残っている。(注:この段,かなり願望混じりなので,あまり信用しないでください)
- 岸田直樹先生がこのtweetで紹介している動画を見ると,social distancingの効果が視覚的に良くわかる。ななきさとえさんがtweetしていたWashington Postの記事も良いビジュアライズだと思う。
- 遠隔も含めた講義の仕方のガイドラインを作る必要があるなあ。ざっと思いつくところでは,まず,ぼくのように独自サイトで配布しても良いのだが,BEEFという仕組みもあるし,全教員が講義資料はネット配布できるはずだ。講義室は前後2カ所は窓を開けて講義するとか,D201のような窓を開けられない部屋では前後のドアを開放する必要もあるだろう。唾が飛ぶことは避けねばならないので,教室内での私語は厳禁で,教員もマスクをした上でマイクを使って喋るべきだろう。講義室に学内LANは来ているので,Zoomなどで配信もし,遠隔で受講することを推奨することも必要だろう。資料をネット配布してあれば,配信は音声だけでもいけるのではないだろうか。音声だけなら,そんなにデータ転送量を食わないのではないか(月1000円くらいの低速データ転送専用定額SIMでもradikoプレミアムを聞くには支障ないし)。備品としてはアルコール消毒剤を適宜配置すること,水道がある場所(講義室も含めて)には石鹸とペーパータオルを置くことも必要だろう(入子先生のアイディア)。他は何があるだろう?
- 教育用端末関係の話の続きが降ってきたり,論文査読依頼が降ってきたり(既に抱えているのが1本あるので,これを受けてしまうと自殺行為な気がしないでもないが,テーマからして受けるしかないだろう),某メディアから電話で問い合わせが来て暫く喋ってしまったり(問い合わせ内容とは違うのだが,暫く前から希望していたことをついでに話してみたら,実はその方向で動いているという朗報が得られて嬉しかったので),教務係からの電話に応答したり,とやっているうちに19:00を過ぎた。
- 英国首相が自らの感染をtweetしている。
- その後,メインのPCにWindows Updateによる再起動が掛かって,そのまま長考に入ってしまったので,VAIOの方でTWEEDEESのライブ配信を視聴しつつ,査読を少し進めた。やっと再起動からPCが立ち直ったが,校正までは手が回らないうちに22:30近いので帰るかなあ。
- 専門家会議からの情報発信のため,リスコミの専門家集団が協力することになったと,西浦さんがtweetしていた。やはりチャンネルがなかったのだな。
- TWEEDEESのライブは素晴らしかった。こういう活動を有料配信化するのが可能性の一つか。しかし,大友良英さんのこのtweetは悲痛。ドイツと日本の閣僚の文化へのスタンスの違いが悲しい。長期的にはCOVID-19の感染を増強しないような営業形態・活動形態・建物の構造といったことを模索する必要があると思うが,少なくとも当座の具体的援助を政府がしないと生き延びられないのでは。
- 岸田直樹先生のN95マスクの再利用には蒸気消毒をというtweet。
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