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【第356回】 今日も講義準備とか(2020年4月5日)
- 数日前に触れたScienceのFerretti L et al. "Quantifying SARS-CoV-2 transmission suggests epidemic control with digital contact tracing."(2020年3月31日掲載)が示した可能性は重要だと思う。そのとき,テレビで見た韓国で使われているアプリに触れたが,詳細がわからない。この記事(2020年3月6日)とか,Natureのニュース(2020年3月18日)とか,IEEE Spectrumの3月25日記事(4月1日更新)で触れられていたのとは違うのか? 韓国政府のサイトでは,この情報がそれっぽいが,pdfを見ても詳細なスペックはわからないなあ。
- 自分はGPSを使った移動履歴くらい把握されても構わないので,もし,新規に感染が判明したAさんがアプリXをインストールしてくれていたら,発症日を入力して送信すると,自動的に移動履歴が記録されているデータベースを遡って照合し,アプリXをインストールした人のうち,Aさんの発症前2日以降にAさんと濃厚接触した可能性がある人全員にアラートを出してくれて(同時にデータとしてクラスター対策班にも通知されて),症状があったなら検査を受けるように(その画面を見せれば,肺炎症状があって医師が鑑別診断を要すると判断した人に次ぐ優先順位で検査して貰えるようにする),症状が無ければ自己隔離するように(ホテル等の個室を公費負担で借り上げておき,そこに入ることを推奨。検査能力に余裕があれば検査を受けてから隔離するのが理想だが),と促してくれるようなものがあったら,インストールするなあ。で,そういうアプリをスマホユーザ全員がインストールしてくれたら,積極的疫学調査のうち,接触者追跡に関わる保健所の負担が大幅に減ると思う。押谷先生がCOVID-19への対策の概念(2020年3月29日暫定版)で悲鳴のように保健所の負担軽減を訴えていらっしゃるが,人員増(例えば3密に該当するので営業できなかったり開店休業状態の人たちに維持費を払い納税免除しつつ,訓練を受けてもらって聞き取り調査員とすることは,5年ごとに国勢調査のために非常勤国家公務員を雇っていることを考えれば不可能ではないと思うが,簡単ではない)よりも実現可能性も有効性も高いのではないだろうか。LINEの調査は何度か繰り返す予定とはいえ横断調査だし,人々の意識・行動実態や感染者割合の推定などに貢献するから意味はあると思うが,今後繰り返すとしても,接触者追跡にはほとんど使えないはずで,これの代替にはならない。
- そういうアプリの導入も,個人情報保護上(追記:弁護士の吉峯先生からご教示いただいたが,アプリインストール時に同意を取れば個人情報保護は大丈夫で,むしろプライバシー権の侵害の方が問題になるとのこと)無理と最初から決めつけず,検討する余地はあるのではないだろうか。
- 豚肉とナスと青梗菜をオリーブオイルで炒めたおかずを作り,レトルトご飯と合わせて朝食を食べてから,今日も講義準備をしている。
- 森恵さんの「声は届くから」という曲へのオンラインコラボ呼びかけ。素晴らしい楽曲と歌唱(Vo+AGバージョンのmp3ファイルを聴くだけでも感動する)だし,ミュージシャンとして何ができるか,という意味で素晴らしい試みだが,その成果を聴いて楽しむ人から何かサポートできるような仕組みがあると,持続可能性が増すと思う。
- 夕方になり空腹になったが,朝で食材が尽きかけていることに気づいたのでアグロガーデンで食材を買ってくる。
- 米やソースなどいろいろ買ったので重かったが,久々に米を磨いで炊き,媛ポークとキャベツとナスの炒め物と,ワカメと油揚げの味噌汁を作って晩飯にしたら美味だったので満足した。
- Bayham J, Fenichel EP “Impact of School Closures for COVID-19 on the US Health-Care Workforce and Net Mortality: A Modelling Study.”(2020年4月3日掲載)がLancet Public Healthに載っていた。読まねば。
- 本当はもっと講義準備と査読と校正を進めたかったが,22:00過ぎに力尽きて眠ってしまった。
- ほぼ同じ内容であっても書き方が違うだけで受け止められ方が全然違うのだなあ。これは新井紀子さんがRSTの結果から言われていたことの正しさを示すのかもしれない。
- ある専門分野について,つまみ食い批判されるのも,つまみ食いで成果利用されるのも,どちらも良くないと思う。が,後者を否定した上で,evidence based policyが成り立つのかと考えると,行政内部の人自身がまっとうに勉強しなくてはいけないはずだ。
- COVID-19対応で,通信大手3社が,25歳以下の50GBまでの容量増加を無料化したという永崎さんのtweet。遠隔講義には追い風。当面は4月中みたいだが。
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