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【第952回】 オンライン講義後に修論発表会に参加(2022年1月27日)
- 7:30起床。82.85 kg。
- 今日も修論発表会が行われているが、木曜の講義の最終日なので、ぼくは朝から4限が終わるまではオンライン講義をする。その後、自分が指導教員になっている修論生の発表が2件あるので、それにオンライン参加する予定。
- 午前中のトピックはOccupational Healthだったのだが、院生が紹介してくれた論文で面白かったのは、過労リスク評価の研究と、デンマークの医療従事者の職種別のCOVID-19に対するIgGとIgM陽性割合の違いをみた研究だった。前者は労働安全衛生総合研究所の紹介ページの情報が充実していて、かつ、この研究で開発された「過労兆候しらべ」質問紙の日本語版と英語版が公開されていて無料で使えるのが素晴らしい。後者は2020年4月に行われた研究なのでワクチン接種前で、抗体陽性割合は感染リスクを反映すると考えられるが、医学生のリスクが最も高いという結果で、国際比較したら医療システム論的に面白いんじゃないだろうか。COVID-19感染後のIgGとIgMの変化のタイムコースは既に多数の研究があるので、発表した院生に、これとか、これを読むように薦めておいた。
- ところで、年齢別のオミクロン株感染者の広がり方がインフルエンザに似ているなら、伝播経路もインフルエンザに近くなっているのではなかろうか。皮膚やfomite上での生存期間が長いというオミクロン株の特徴を考えれば、手洗いやアルコール消毒がデルタ株まで以上に重要になっているのだと思う。
- デルタ株もそれ以前のものより潜伏期間が短いという報告があった。もしそれが正しいなら制御しやすいはず。
- FNNプライムニュースのtweetに載っている図は誤解を生む。この鐵人三國誌では、先週初めて下位系統についてメモしたが、そのときリンクした感染研のページ(その後も何度か更新されている)に書かれている通り、SGTFでオミクロン株判定している国ではBA.2がオミクロン株扱いされないという意味で「ステルス」と言った人がいるのだろうが、BA.2であっても、RT-PCRでCOVID-19感染とは判定されるので「ステルス」ではないし、日本はL452R陰性のCOVID-19をオミクロン株と判定しているのでBA.2もオミクロン株としてカウントされていて、まったく「ステルス」ではない。BA.2が怖いかもしれないのは、先週も書いたようにBA.1とは違ってスパイクタンパクの欠失が少ない点にあって、むしろ感染力よりも重症化リスクの方が気になる。
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