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書評

最終更新:2019年2月13日(水)


旧書評掲示板保存ファイル/書評:『真夜中の死者 -イリュージョン-』

書名出版社
真夜中の死者 -イリュージョン-光文社カッパ・ノベルス
著者出版年
矢口敦子1999



Feb 18 (thu), 1999, 20:53

中澤 <k1-1.humeco.m.u-tokyo.ac.jp> website

現実が小説に追いついたというべきか。

自殺をほのめかす「ホームページ」(注:WEBサイトの意味で使われている)の掲示板で意見を交わしていた人たちが,その「ホームページ」の開設者の「少女」が死んだという「少女の父」からの書き込みを見てから「少女」が誰だったのかを探るうち,次々と妙なことが起こり,最後には意外な真相が明かされる,というストーリー。ストーリー展開以上に,手品の種があまりにも現実を反映していて衝撃的である。人物描写なんかは類型的で深みはないのだけれど,数ある通信もの(鳥井加奈子「オンラインの微笑」新潮文庫とか,栗本薫「仮面舞踏会」講談社文庫とか)の中でも一,二を争うネタといえる。もうちょっと料理のやりようはあったかもしれないが。


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