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書評

最終更新:2019年2月13日(水)


旧書評掲示板保存ファイル/書評:『ドイルと、黒い塔の六人(上・下)』

書名出版社
ドイルと、黒い塔の六人(上・下)扶桑社ミステリー
著者出版年
マーク・フロスト(飛田野裕子 訳)1998



May 28 (fri), 1999, 20:06

中澤 <k1-1.humeco.m.u-tokyo.ac.jp> website

これもホームズ・パロディものの変種である。ホームズやモリアーティ,アイリーネ・アドラーには実はモデルがいて,作者アーサー・コナン・ドイルが弟とともにアメリカ講演旅行をしたときに大事件に出くわし,そのモデルたちが絡んできての大冒険になる,という話である。実はシリーズ物の第2作なので,未読の方は,先に「ザ・リスト・オブ・セブン」を読んだ方がいいと思う。作者フロストは「ツインピークス」の共同製作者の一人として知られている。

晩年のドイルがオカルトがかっていたことを踏まえ,周到に作られた物語であり,舞台がアメリカであるにも関わらず,ホームズものの雰囲気をうまく醸し出している。登場する日本人神官を「鉄槌」と訳したのは訳者の勝利と思う。またこの鉄槌が格好いいんだ。訳者は相当なシャーロッキアンであろう。


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