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書評

最終更新:2019年2月13日(水)


旧書評掲示板保存ファイル/書評:『エンパラ:旬な作家15人の素顔に迫るトーク・バトル』

書名出版社
エンパラ:旬な作家15人の素顔に迫るトーク・バトル光文社文庫
著者出版年
大沢在昌1998



Aug 12 (wed), 1998, 12:13

中澤 <k1-1.humeco.m.u-tokyo.ac.jp> website

1995年6月号から1996年8月号までの,「小説宝石」に連載された,大沢在昌さんの対談集「エンタテインメント・パラダイス」の文庫落ち。

対談相手が有名作家ばかりということもあり,知らない人向けに作家紹介をする,というよりは,マニア向けに知られざる一面を引き出す,という趣向が強い。ここに取り上げられた作家の誰かのファンなら読む価値はあると思う。

各章のタイトルが奮っている。

船戸与一は石持て追われる夢を見る/京極夏彦もまた,妖怪だった/藤田宣永は旦那に憧れている/瀬名秀明は恐竜の交尾が見たい/宮部みゆきはキツネつきである/北村薫は冒険小説作家である/梅原克文はSF原理主義である/綾辻行人は禁欲主義者?/真保裕一はケバさに目覚めた/小池真理子は司会も上手い/白川道は自分に期待している/志水辰夫は不器用である/北方謙三は二十二の時からスターだった/内山安雄は濃い取材をしている/浅田次郎は読者に福音を授けたい

である。北村薫は「本格推理原理主義者である」,と北方謙三は「真面目である」,と二人だけは変えたいが,後は実にうまく対談内容を現している。

この本を読んで読みたくなったのは,船戸与一「蝦夷地別件」,北村薫「スキップ」と内山安雄「フィリピン・フール」だな。


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