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書評

最終更新:2019年2月13日(水)


旧書評掲示板保存ファイル/書評:『旅と道具 豊かな旅を創るハードとソフト』

書名出版社
旅と道具 豊かな旅を創るハードとソフト朝日文庫
著者出版年
佐貫亦男1999(1994年に出た単行書を再編集したもの)



Sep 01 (wed), 1999, 09:41

中澤 <k1-1.humeco.m.u-tokyo.ac.jp> website

著者は既に故人である。第二次世界大戦中にヨーロッパを旅したこともある,猛者である。新田次郎さんとともにアルプを歩き,戦中のスイスで現在の金にして500万円という金を2週間で使い果たしてもいい,というような豪遊をする。この辺りの昔話が面白い。

言葉こそが最大の武器だとかいった,ソフトの方はかなり現在にも通用すると思うが,ハードの方は最新の便利なものには触れられていないのが物足りない(デジカメとか)。航空宇宙評論家として活躍していただけに,ハードへのこだわりは並々ならぬ点があるだけに,今日性が足りないのが惜しい。それでも,キャスターは機内持ち込みしろ,とか,下着は3組だけもっていって洗って使え,とか,ぼくの経験上も正しい意見が多くて感心した(なんか,偉そうな批評だけれど)。一点だけ同意できないのはスイスアーミーナイフに鋏が必要ないというところ。ぼくの経験上,鋏は結構役に立つ。もっとも行き先の違いのせいかもしれないが。

●税別760円,ISBN 4-02-261266-5(Amazon | honto


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