最終更新：2019年2月13日（水）
| 書名 | 出版社 |
| 「御手洗パロディ・サイト事件（上・下）」 | 南雲堂 |
| 著者 | 出版年 |
| 島田荘司 | 2000年 |
中澤 <k1-1.humeco.m.u-tokyo.ac.jp> website
上）税別880円，ISBN 4-523-26356-6（Amazon | honto）
下）税別880円，ISBN 4-523-26356-6（Amazon | honto）
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龍臥亭と同じく，石岡＆里美探偵ものといえる。インターネットからダウンロードした御手洗パロディ作品を読んでいた里美の友人が突然失踪し，その手がかりを求めて石岡と里美がパロディ作品を読み解いてゆき，最後に謎を解いて友人の危機を救うべく行動を起こす，というストーリーである。特筆すべきは，本書で取り上げられている御手洗もののパロディ作品は（下記リスト），少なくとも部分的には実在するものだということだ。つまり，この作品は，実際に同人の世界で流通しているパロディ作品を並べて，その前後に石岡＆里美を活躍させ，１つの謎解きストーリーとして完成させたものなのだ。最終章，謎解きに入ってからの，里美の石岡へのつっこみは，森博嗣の犀川＆萌絵シリーズのやりとりを髣髴とさせ，大笑いしてしまったが，なかなかいい味をだしていて，ぼくは好きだ。【すべてが『あ』ではじまる 松尾詩朗】
残念ながら見つからず。松尾詩朗さんという方は，数年前には和歌山県美里町の美里中学校で技術・家庭の先生をしていらした方と同姓同名なのだが，ご本人だろうか？ この作品は，もちろん森博嗣の「すべてがＦになる」を意識したタイトルだが，「すべＦ」との類似点はタイトルだけなのが残念。【ギザのリング 園生晃子】
これも見つからず。【沈みゆく男 青田歳三】
青田歳三さんは，東風と共に歌は吹く
http://plaza4.mbn.or.jp/~koti/
というサイトをもっていて，ENTERから入って「土」を選ぶと，「霧の塔」という御手洗パロディ小説を読むことができる。しかし残念ながら，「沈みゆく男」はこのサイトでは公開されていない。【ベートーベン幽霊騒動 角田妃呂美】
うーん，残念ながら見つからない。作者の名前はどこかで見たような気がするのだが。【巨乳鑑定士、石岡和己 優木 麥】
これもないなあ。【Dark interval & ダージリンの午後 まる】
御手洗もの同人作家の方で「まる」さんという方は見つけたのだが，サイトは開設されていないらしい。【御手洗潔の『暗号』つき女子寮殺人事件 和泉久生】
潔くんのお城
http://www.geocities.com/SoHo/Den/7188/mitarai.htm
は和泉さんという方が運営されているが，別人のようだ。【ホント・ウソ 高槻榛襾】
この方は，「やぁ！御手洗くん」
http://www.geocities.co.jp/Milkyway-Vega/2638/
というファンサイトを運営されていて，この作品もここで公開されている。
現実と虚構のクロスオーバーというか，不思議な感じを受ける。とくに掲示板なんか眺めていると。【The Alien Crystal Stevenson】
見つからず。【鉄騎疾走す 小島正樹】
見つからず。【御手洗さんと石岡君が出ている偽物小説 佐藤智子】
これもない。【御手洗潔と学校の怪談 コバトミチル】
見つからない。【Pair Jewels／Pair Lovers 橘高 伶】
見つからない。【シリウスの雫 柄刀 一】
本文中でも言及されているように，これは本当にプロの作家によるパロディである。雄大なスケールといい，雰囲気といい，本パロディ集の嚆矢といえる。残念ながら，柄刀さんのサイトとかファンサイトといったものは見つからなかったが。【愚かな深海魚は幻影の海で泳ぐ 伊吹 真】
ないなあ。【北国騒動 馬杉 愛】
残念だなあ，これもないや。この話，好きなんだけど。【夏季色オレンジ 極楽桜丸】
ない。【US THREE 徳月モリ】
これもない。【スージー嬢 杉永裕章】
ない。【ALiS 朝日屋ALiS】
富士通が開発したプラズマディスプレイの新しい高輝度表示方式ALiS (Alternate Lighting of Surfaces) かと思った。違ったけど。これもサイトは見つからず。【横浜スタジアム事件 氷川 透】
私の好きなミステリ作品グランプリ
http://www.nedox.co.jp/mchannel/100/hirowata/sakuhin.htm
で「異邦の騎士」を熱烈推薦している氷川さんという方を見つけたのだが，もしかしてこの方ではなかろうかと思った。
さらに，なんということはないページ
http://www.inac.co.jp/staff/maki/meikyu/art98/hym9809a.html
を見たら，第８回鮎川賞で，柄刀一さんの「3000年の密室」と一緒に，候補作になった「眠れない夜のために」という作品の作者さんであることが判明した。セミプロレベルといってよい。道理でうまいわけだ。【追いかけて横浜 来栖未遊】
見つからず。以上の状況から考えると，パロディ・サイトそのものが実在する例が数えるほどしかなく，当該作品がWEBから本当に入手できるのは「ホント・ウソ」だけなのだけれど，，同人誌からかき集めた作品集であることは，たぶん間違いないだろう。問題は，鍵となっている作品の作者が，島田荘司自身か否かということだ。それとも，その作者も実在するのだろうか？
と，読んでいるうちに混乱するほど，虚実ない交ぜにしてうまく纏められている作品だった。うまいなあ。
ついでに言及しておくと，南雲堂のサイト
http://www.mmjp.or.jp/nanun-do/
には，本書の紹介ページ
http://www.mmjp.or.jp/nanun-do/00.4.sin.mitarai.html
があるが，画像が重いわりに役に立たない。なお，貝繁村の近くということになっている東城町が出身地であることから，里美の幼馴染という設定で度々本文中で（パロディ小説中でも）言及される，横浜ベイスターズの名捕手，谷繁選手については，
☆きょうのしげ／谷繁元信☆
http://www.ops.dti.ne.jp/~tam-yan/
という熱狂的なファンサイトがお薦めである。
ただし，御手洗シリーズとの関連には，これほどのファンサイトでも言及がないようなのが不思議である。
中澤 <k1-1.humeco.m.u-tokyo.ac.jp> website
氷川透さんは，既に「真っ暗な夜明け」という
作品でプロデビューしていたのだった。
http://www.trc.co.jp/trc/book/book.idc?JLA=00020405読んで見なければ。
中澤 <phi.yamaguchi-pu.ac.jp> website
和泉久生さんからメールが届いて，上にとりあげたページの管理人とは別人であるから区別して欲しいという主旨とお見受けしたので，ここに明記しておく。
和泉久生さんは，上でとりあげたページの管理人の和泉さんとは，まったくなんの関係もないそうです。
# 別人らしい，とは書いてあるのだが，少しでも関連があるかもしれないと受け取られる可能性があるとしたら，申し訳ないことをした。お詫びする。
K&A <nthygo014060.hygo.nt.adsl.ppp.infoweb.ne.jp>
下記のようなサイトを見つけたのですが。
http://ww3.tiki.ne.jp/~muku/TOILET/nanundou/bosyu-old.html
http://ww3.tiki.ne.jp/~muku/TOILET/nanundou/bosyu-shin.html
公募して集めたものをまとめたのではないですか？
ミノタウロス <host-a113.takushoku-u.dion.ne.jp>
ホント・ウソの作者の方のホームページを見つけました。小説もあります。