最終更新：2019年2月13日（水）
| 書名 | 出版社 |
| 天使の囀り | 角川ホラー文庫 |
| 著者 | 出版年 |
| 貴志祐介 | 2000年（単行書は1998年） |
中澤 <k1-1.humeco.m.u-tokyo.ac.jp> website
アマゾン，サルの肉を食べた調査隊，帰国後人が変わったようになった作家，怪しげな自己啓発セミナーときて，「何か出るぞ，出るぞ」という期待を高める手腕は絶妙だし，「天使の囀りが聞こえる」現象の説明原理としてもってきた道具立ては，かなりそれっぽくてうまい。だから，それなりに面白くて，長い話だが一気に読めてしまった。
しかし，ぼくには全然怖くはなかったので，ホラーとしては設定の良さを生かし切っていないかもしれないと感じた。１人称で書いて，地の文で主観的囀り描写をしたらもっとずっと怖いと思うのだがなあ。