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書評

最終更新:2019年2月13日(水)


旧書評掲示板保存ファイル/書評:『月曜日の水玉模様』

書名出版社
月曜日の水玉模様集英社文庫
著者出版年
加納朋子2001年(単行書は1998年集英社刊)



Nov 14 (wed), 2001, 11:41

中澤 <k1-1.humeco.m.u-tokyo.ac.jp> website

加納朋子作品には一般に「日常の謎もの」と呼ばれるものが多いが,実際にはなかなか日常ではお目にかかれないような謎を,不自然でなく繰り出すために,著者はヒロインの生い立ちにアクセントを与えたり,探偵助手役の職業を調査会社の調査員にしたりと工夫をしている。もちろん,都筑道夫のジャケット背広スーツの話が実話に基づいているということからも言えるように,往々にして事実は小説よりも奇なり,なのだが。

探偵と助手の役回りが,北村薫の「円紫さんと私」シリーズや森博嗣の「犀川助教授と西之園萌絵」シリーズの逆なのだが,これをジェンダー論で切るのは牽強付会だろう。この役回りはこの筋立てに最高に合っていると思う。


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