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【第2077回】 講義3コマ(2026年5月12日)
- 朝ドラ『風薫る』病院実習編は、デフォルメされているにせよ、明治時代のPatient Roleの今との違いがわかって面白い。医師の描写についてはあまりにカリカチュアライズされているようにも思うが。
- 今日は名谷キャンパスに出勤して1限2限と4限に講義。2限まで終わったところで、既に喋り疲れている。
- Lang F et al. (2026) Real-world data on the impact of dose reduction measures on radiation exposure in CT perfusion of the brain. European Journal of Radiology Open, 16は、環境省のサイトにある自然・人工放射線からの被ばく線量の図でCTによる放射線曝露が相対的に大きいことを講義で喋ったばかりなので、重要と思う。
- その場しのぎも含めて嘘をつくことに躊躇いがなく、矛盾を指摘されても認めない人は、議論が成り立つための前提条件を満たさないので、対話の相手にはなりえない。だから、その点が改められない限り、形式上の対話には応じないという対策しかとれないと思う。学生団体によるとはいえ参政党の神谷氏を五月祭に呼んで講演させることには、東大の中の人たちは反対した方が良いと思う。
- 来週の講義準備をしていたら20:00を過ぎた。ドラゴンズがハマスタでベイスターズに途中まで0-2で負けている。結局1-3で負けたが、板山選手四球の後の代打は、ボスラー選手でなく髙橋周平選手を出すべきだったと思う。山崎投手の頭にはこの四球が残っていたと思う。
- 復路地下鉄では、真山仁『ウイルス』を読んでいて、まあ小説だから記述の正確性はそこまで重要ではないのだが、BSLって病原体の分類ではなくラボの規格だから、作中の公衆衛生や医療やウイルスの専門家たちが病原体の分類としてBSLを使っていることには強烈な違和感を覚えた。BSLと対応しているリスクグループは病原体のリスクの分類なので、リスクレベルで話をしているならまだ良かったが、ベテラン専門家の会話であれば、危険な感染症であることへの懸念を示すなら、感染症法の一類感染症になるような、とか、一種病原体になるような、あるいは、新感染症になるかも、という言い方をする方が自然だろう。あと、死者が1例でも出た段階で、IHR2005に基づくWHOへの通知をしないという総理決定はありえないし、それを咎めない公衆衛生専門家はありえない。そこはあまりに荒唐無稽に過ぎる。作者はもっとちゃんと取材をするべきではないかと憤ったのだが、最近はBSLを病原体分類に使っている(ように見える)サイト(細菌学会、帝京大学、製品評価技術基盤機構(NITE)の「微生物有害情報リスト」など)も散見されるので、一概に作者の取材不足とも言えないか。個人的にはその転用は誤解をもたらすので、BSLはあくまでもラボの規格の意味で使うことに限定すべきと思うが。
- アカデミック・ルールの講義資料に書いた通り、インフォデミックは学問の敵なので、たとえ小説であっても、インフォデミックにつながりかねない記述については批判しておくべきかとも思う。ただ、フィクションであることが明らかな作品について、記述が学問的に不正確だという批判を厳しくしても筋違いな気もして悩ましい。
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